[コラム]ナードマグネット・須田とハンバーグオムレツ・カリスマのEIGA・BU第33回

[コラム]ナードマグネット・須田とハンバーグオムレツ・カリスマのEIGA・BU第33回
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016/06)



カ:「思い立ち アマゾンポチる クモタイツ」
スキッツォイドマンとの2マンを経て、ヒーローコスでのライブに目覚めたカリスマです。アマゾンでスパイダーマンのタイツ買ってしまいました。届くのが楽しみです。ってそんなことは置いといて。
ナードマグネット初の全国流通のCD発売おめでとうございます!!!!

須:ありがとうございます!!!フルアルバム"CRAZY, STUPID, LOVE"絶賛発売中でございます!!!ナードマグネットの須田です!!!!ってかちょっと待ってください、カリスマさん、スパイダーマンの格好でライブするつもりなんすか。リーダーに止められますよ!!!

カ:既にスキッツォイドマンのKTくん(故人)に故人御用達のショップを教えてもらって、ここ数回はグリーンランタンみたいなメイクでライブしてるから大丈夫!!話をもどすけど、いやはや、ナードのフルアルバム、素晴らしいですね。言わずと知れた名曲「ルーザー」が満を持して登場!だけじゃなく、ライブを盛り上げる曲のオンパレード!そして、最後には極上の新曲が君を待つ!!今回取り上げる作品の様にオールスターで隙の無い名盤です!

須:いやーーーありがとうございます。まさか今回の映画に例えてもらえるだなんて…。僕の上半期ベストには確実に入るであろうこの映画と…!!さあ、そんな映画とは何でしょうか?

カ:『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』です。

今回は褒めちぎります!ほんとヤバすぎる!前回取り上げた『バットマン VS スーパーマン』

のスタッフは全員でこの作品を20回は観るべきですよ。そして、圧倒的な差を実感して頂きたい(笑)

須:いや、ほんとに!BvSで僕がダメだと感じてた部分が全部解消されたような映画でした(笑) まあまずはビギナーの方向けに基本情報を解説しますと、マーベル・コミックスのヒーローが活躍する『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズの最新作になります。時系列で言うと去年の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』

→『アントマン』

→本作という流れですね。キャプテン・アメリカがタイトルになってますが、今挙げたアントマンだけでなくアイアンマン、ホークアイ、ブラック・ウィドウ、スカーレット・ウィッチ等が勢ぞろいするので実質上は『アベンジャーズ2.5』くらいの感じです。ハルクとソーだけ出てこない。

カ:キャプテンアメリカシリーズだと3作目。同時にアイアンマンシリーズの4作目も兼ねてるし、須田くんが言ったとおり「アベンジャーズ2.5」の装いで、なにより記念すべきスパイダーマン参戦作品でもあるという超絶豪華仕様!!ほんと、観るまでストーリーが破綻してるんじゃないとヒヤヒヤしてましたが、杞憂でした!盛込みまくってるのに飽和も破綻もしてないという、ほんまに凄い脚本です。

須:アベンジャーズの面々が色々あってキャプテン・アメリカ側とアイアンマン側の各陣営に分かれて戦う羽目になる、というお話なんですが、まずキャップと社長が戦わざるをえない状況になった経緯がすごくわかりやすい!各キャラクターの見せ場をしっかりバランスよく作ってあって戦闘シーンが超盛り上がる!そしてアベンジャーズの仲間割れという重くシリアスになりそうな話でもちゃんとユーモアを忘れない!どうですかこれ、『バットマン VS スーパーマン』ができてなかったこと、全部できてるでしょ!?(笑)

カ:だね?(笑)なんなら冒頭の15分ぐらいで出来てるぐらいの勢い(笑)正直、観るまでこんな規模の内輪喧嘩ってまとまるのか半信半疑やったけど、まあよくまとまってる。『バットマン VS スーパーマン』は共通の敵を出してきて個人的な喧嘩を有耶無耶にするという小学生が書いたみたいな話やったけど、『シビル・ウォー』は国際情勢も複雑に絡む全編ガチンコヒーローバトル!キャップの言い分も、社長の言い分も、どちらも理解は出来る作りやったね。

須:どちらサイドの気持ちもわかるから胸が痛みますよねえ…。さっき「ユーモアもある」って言いましたけど、そこを担ってるのが今回から参戦してきたアントマンとスパイダーマンでしたね。彼らがいなかったら相当つらい話になってた。スパイダーマンのメイおばさんとか、出てきた瞬間笑ってしまいました。

カ:そやね。ネタバレになるから伏せとくけど、新生メイおばさんはインパクト大です(笑)あと忘れては行けないニューヒーローことブラックパンサー!彼のスーツと爪はヴィヴラニウム合金仕様!ちなみにヴィヴラニウム合金とはキャップのシールドに使われている地上最硬のアレです!アレが全身!!しかも王様だから社長より金持ち!!強すぎ!!!

須:ブラックパンサーかっこいいですねえ。派手な武器とか特殊能力とかは無くてシンプルに強い!見た目もシンプル!中の人の全てを悟りきったような顔も良いです。単独作あるみたいだし楽しみだなー。

カ:『ブラックパンサー』は『クリード』

のライアン・クーグラー監督でみたいなのでそのあたりも期待大ですな!結局、今作はブラックパンサーの心境の変化が大きな流れを作ってたというか、力のぶつかり合いではなくそれに巻き込まれた人のやり場の無い怒りがテーマになってて。正に今、世界の紛争地帯で起きてる現実を表しているような。しっかりエンターテイメントでありつつ社会情勢をきっちり入れ込んでくるスタンス。おい!ワーナー!そこやぞ!あんたらに足りて無いのは!

須:むしろBvSの方がわりとそういう真面目なトーンでやろうとしてるはずなんですが、どうもあっちは話の焦点ボケボケでしたからね…しかもユーモア皆無だし。スーパーヒーローとは荒唐無稽でアホっぽいものである、って前提のうえでちゃんとそういうカッコよさも突き詰めつつお話もガッチリ作り込んでるマーベルのほうがやっぱり好きだなあ。

カ:DCも本来の味が出せてない気はするんよな。例えばDCヒーローのグリーンアローは『ARROW』ってタイトルでドラマ化されててこれとか、凄く出来が良いんよな。須田くんの言ってるヒーローの要素が当てはまってるかと。やっぱりそこらへんは時間をかけてMCUを構築したマーベルに軍配があがってるって印象やな。ところで今回の新スパイディはどうやった?

須:よかったです!サム・ライミ版の冴えない感じと、アメイジングの方のめっちゃ喋りまくる感じが合わさったようなキャラでしたね。ぐっと年齢も若くなったし、単独作は青春映画として面白いものになるんじゃないかなーと予想してます。『コップ・カー』

見ました?

カ:『コップ・カー』は観てないね。どんな映画なん?

須:ふたりの家出少年が偶然パトカーとそのキーを見つけて、乗り回して遊ぶんですが、実はそれはケヴィン・ベーコン演じる悪徳警官の乗ってたやつで、キレたベーコンに追いかけられる羽目になるというような話です。めちゃくちゃ面白かったんですよ!登場人物めっちゃ少ないし、派手なこともそんな起こらないんですが、それでもめっちゃスリリングかつ最後はちょっと感動させる映画になってまして。これの監督が新スパイダーマンを撮るって聞いて、俄然期待が高まっているんです。

カ:なるほどね!マーベルは『アントマン』にしても『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

にしても監督起用には実績と信頼があるからね!それは期待が出来そう!そう、アントマンと言えば、今回の彼の大暴れっぷりは群を抜いてたね!もっとお笑い的なとこで終始すると思いきや、まさかの大活躍(笑)しかも、その直後にスパイディとアントマンの絡みで某映画の名シーンが再現されるとは全く予想出来なかった(笑)

須:アントマンのアイデンティティ揺らいでましたけど(笑)「おい、あのガキ何歳だよ」って突っ込みも良かったですね。全員ほんとキャラ立ってて最高です。今後も楽しみだなー。カリスマさんには前回否定されましたけど、スカーレット・ウィッチも超かっこよかったじゃないですか!やっぱ僕は単独作を見たいっすよ!!

カ:そこ、俺が訂正するわ。スカーレット・ウィッチ、カッコよかった(笑)単独作でも大丈夫(笑)『アベンジャーズ2』の時は割と仕事出来てる新人やったのに今作ではしっかりヒーローしてた!今作では大作にありがちな、行動理念が理解出来ない奴が1人も居なかった。だから上映時間が長くてもダレるところが無い作品になってたね。

須:まあここまでの色んな作品での積み重ねがあったからこそ出来たことでもあるとは思いますけどね!だからやっぱりDC勢はスーパーマンとバットマンでそれぞれ1本ずつくらい単独作を挟んでから対決させるべきだったんですよ!いきなりバットマン出てきてあんな怒られても戸惑いますって!

カ:そやな。ノーランバットマンと性格がゴロッと変わってしまってたから観客は置いてけぼりにされてしまった感全開やったもんね。なんかバットマンの単独作はバットマン自身(ベンアフレック)が監督するって噂になってたけど、なんにしてもDCは出だし躓いてしまった。ただヒーローを戦わせるだけだと、成り立たないものってのがDCとマーベルで明暗くっきりしたことを世間に知らしめてしまっただけみたいな。2作を続けて観ると読者の皆さんにもその違いをわかって頂けるかと思う。

須:まあでも『スーサイド・スクワッド』

みたいな超おもしろそうな作品も控えてますし、DC勢がここからどう巻き返すのかも当コラムではぜひ注目していきましょう(笑)

カ:だね!DCもマーベルも愛してるぜ!ヒーロー愛してる!否、なりたい!俺がヒーローになりたいんや!バンドマン兼ヒーローになりたい!!はい、胸の内を吐露したところで、そろそろお別れの時間が迫ってまいりました(笑)

須:かっこいいバンドマンはもはやヒーローですよ。頑張りましょう。ではまた次回もお楽しみに!アルバム買ってね!

カ:良い締め方(笑)さあニューアルバム買って皆でナードマグネットを観に行こうぜ!!また来月!




プロフィール 如何の通り

カリスマ: 本名不肖、牙の勇者の異名を持つキョウリュウレッド。
地球と大阪市北区の平和を守る傍らハンバーグオムレツというジャンクフードパンクバンドのボーカルとしても活動している。
EIGA・BUの「観る」担当。
HP:http://omelette.sekaibi.com

須田亮太: 顔出しNGというわけではございません。
ナードマグネットというバンドのギター&ボーカル。パワーポップという不遇のジャンルを今一度普及させるべく、大阪を中心に活動中。アイドルも好き。
EIGA・BUの「見る」担当。
HP:http://nerd-magnet.com/

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