[コラム]ナードマグネット・須田とハンバーグオムレツ・カリスマのEIGA・BU第17回(2014/11)


カ:…さて、仕切りなおしです。どうも、LOVEステイサム継続中こと、ハンバーグオムレツのカリスマです。

須:はい、あらためまして(笑) ナードマグネットの須田です!

カ:え?何が仕切りなおしかって?どういうことか説明しますと、実はある作品で途中までコラムを進めたんですが、須田くんと俺があるヤバすぎる映画を観てしまったので急遽差し替えることにしたんです。EIGA・BU始まって以来の事件ですよ、これは(笑)

須:途中でやり直すってまさかの展開ですね(笑) それだけこのEIGA・BU的にはとても語り甲斐のある作品だったということなんですが…さてその作品とは!

カ:『イコライザー』(http://youtu.be/4GGjX9r4JUI)です!!
  うおぉ!デンゼルーーー!!!強いよ!デンゼル強過ぎだよ!!

須:あらすじ→デンゼル・ワシントンがめっちゃ強い。以上。

カ:殆ど瞬殺やったもんな!あれは不眠症の人間の動きじゃないよ(笑)

須:まあ、あらすじはそんな感じですし、予告編もそういう雰囲気だったので、正直ちょっとナメてかかってたんですよ。もっとバカなノリなのかなーと。それが意外にもしっかりしてるというか、特に前半の丁寧な描写の積み重ねが印象的で。

カ:そうやね。俺もこの映画が公開前から「製作陣はイコライザーに絶対的な自信を持ってて続編の製作が決定してる」って情報を聞いて、んなアホな!って(笑)まあ、設定だけだとよくある「なんてことない奴が実は殺人マシンでした」系の映画ですよ。ただ須田くんが言うてる通りしっかりしてる作りなんよね。前半で強迫性障害を描く所とか特に丁寧に感じた。非常にゆっくりと淡々を進む。デンゼルよりもロリ娼婦役のクロエちゃんに目を奪われる(笑)。観客は思うわけです「デンゼルは強いの?」ってね。

須:あんだけ予告で「この人めっちゃ強いでっせ!」って言ってんのに前半ぜんぜん戦わないし、不憫な娼婦のクロエちゃんとか職場のおデブちゃんとかとの交流をじっくり描きつつ、でも何だか不穏な空気ばかりが増していくから、妙にハラハラするんですよね。あの前半部分を「退屈」と感じるか「丁寧」と感じるかで評価が分かれるんじゃないかなあ。

カ:そう、アクション映画って導入部分でチェイスシーンがあったり、派手な爆発とかで掴みを作るのにデンゼルといったら時間通り起きて出勤するだけという(笑)それがこの映画を特別な作品にしてるんやけどね。あと観終わってから思ってんけど、「19秒で悪事を処理する」ってキャッチコピーやったけど、結局一回も19秒では処理出来てないよな(笑)。そもそも「19秒で処理」とか、ジャンプの打ち切りになる漫画の設定っぽいなって思ってた(笑)

須:そうなんすよ!だからそういう主旨のバカ映画だと思ってたのに!(笑) 前半で積み重ねられたものがある一点で爆発して、そっからどんどん事態がめちゃくちゃになっていくのが超楽しいですね!クライマックスの舞台も完璧!

カ:そして、いつも爆発で振り向かないデンゼルは今作でも振り向かない!とんでもない大爆発やのに振り向かない(笑)
観ながら「デンゼル!それは振り向かなあかんやろ!」って突っ込んだけど、頑なに振り向かない!これぞ、出来る男の象徴ですよ!
さて、ちょっと落ち着こう(笑)
今回、デンゼルはあまり銃を使わないで現地にあるものを武器に変えて戦うんやけど、全然グロさは無いよね。グロくなる直前で上手い具合にカットを変えてるから、戦闘シーンがめちゃスタイリッシュな印象。

須:確かに、見せ方によってはもはやスラッシャー・ホラーになりそうな殺し方のオンパレードですもんね(笑)。 戦闘に使えそうなモノがあらかじめ画面に出てきて「あー、これでぶっ殺すんだろうな」なんて予想しながら見ちゃうあたりは『ファイナル・デスティネーション』(http://youtu.be/cpL0jU-qjK8)シリーズにも通ずるものが(笑)

カ:『ファイナル・デスティネーション』とか懐かしい(笑)。デンゼルが序盤の戦闘でワインのコルク抜きを使ったりしてたけど、そもそもあれってあんなに強度があるってことに驚いた(笑)。所謂アクション映画のベタはあえて外してきてるよな。
カンフー的な体術が出てくるわけでも無く、自宅の隠し部屋に重火器が大量に並んでるわけでも無く、現実離れした強さの主人公が極めて現実的に殺していくとこが独特のテンポ感を産んでる。
  そんな感じで非常に高得点な作品ですが、一つ不満点がある、俺の愛するクロエちゃんの出番が少なーーい!!

須:メインの戦いには全く絡んでこないですもんねー。ってか『キック・アス2』(http://youtu.be/P5oHWBf_wqE)のときも思いましたけど、クロエちゃん肩幅めっちゃデカくないですか?ラグビー選手のガタイですよね(笑)

カ:確かに、、、肩幅だけはどうにもならんけど、主張してきてるよね。デンゼルと夜道を並んで歩いてるとことか「アクション俳優みたいな」って思ってしまった、まぁでも好きやけどな(笑)。あとクロエちゃんの出番は少ないのにパンフレットに名前が載ってない同僚のおデブちゃんを活躍させる監督の思惑とはこれ如何に(笑)

須:名前載ってないんすか!あんな重要な役やのに(笑)。彼に関してもやっぱり序盤の積み重ねが後半に生きてくるんですよねえ。僕は欲を言えば、もうちょっとだけ気の利いたオチがあればなあって感じです。ばったり出くわして会話で済ますんじゃなくて、もっと別な形で「その後」を知れたら綺麗だったかなーと。

カ:なんか、興行収入がコケても、コケなくても収まりがええ様にしたんじゃないかと。あの流れやったらあんな会い方せんでもええやん。それにあんだけのことになったら街出るよ、遠くに行くよ、普通。

須:あのダイナーでまた普通にメシ食えてるのがおかしいですよね(笑)。

カ:ホームセンターのスタッフさんとか「デンゼルさん怒らせたらややこしい」って噂してるやろうし(笑)

須:そうそう、この映画、デンゼルの「静かにブチ切れてる」感じの表情がむちゃくちゃかっこいいんですが、先日の『音楽とロック』のUstreamでカリスマさんが紹介してた『マイ・ボディーガード』(http://youtu.be/AoCpKAxLCuw)に通ずるものがありましたね。Man On Fire!

カ:そう!正にあのデンゼル!流石に今回は尻爆弾ぶち込んで爆発させることは無かったけど(笑)。その『マイ・ボディーガード』と今作とは対極に位置する役を演じた『トレーニング・デイ』(http://youtu.be/gKTVQPOH8ZA)を観るとより今作を楽しめると思うね。

須:『トレーニング・デイ』は完全に「悪デンゼル」でしたねー(笑) 『イコライザー』と同じ監督が撮ってるんですよね。良いタッグ。

カ:ほんまに良い!今は亡きトニー・スコット監督以来ですよ。そして、デンゼルも主演作品でシリーズ化がされてるものが無いので、この調子で『イコライザー2・ハイボルテージ(仮)』といった具合に続けてもらいたいですね。

須:ハイボルテージ(笑)。もはやステイサム映画やないですか(笑)。

カ:その為にも先ずは興行収入!爆発で振り向かない男の最高峰デンゼルの活躍を是非とも映画館で!!
  さて、まさかの途中作品変更を乗り越え進めてきた今月のEIGA・BUそろそろお別れの時間が近づいてまいりました。

須:こんな感じで次回以降も臨機応変に「そのとき一番テンション上がる作品」を取り上げたいですね!
  では今月はこの曲とともにお別れしましょう。"Cool Guys Don't Look At Explosions" (クールガイは爆発で振り向かない)です、どうぞ。
http://youtu.be/Sqz5dbs5zmo

カ:出た(笑)EIGA・BUのエンディングテーマ候補曲(笑)みんなで目指そう!!爆発で振り向かない男!!
では、皆さんまた来月!ブレイブ・イン!



プロフィール 如何の通り

カリスマ: 本名不肖、牙の勇者の異名を持つキョウリュウレッド。
地球と大阪市北区の平和を守る傍らハンバーグオムレツというジャンクフードパンクバンドのボーカルとしても活動している。
EIGA・BUの「観る」担当。
HP:http://omelette.sekaibi.com

須田亮太: 顔出しNGというわけではございません。
ナードマグネットというバンドのギター&ボーカル。パワーポップという不遇のジャンルを今一度普及させるべく、大阪を中心に活動中。アイドルも好き。
EIGA・BUの「見る」担当。
HP:http://nerd-magnet.com/

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