[コラム]ナードマグネット・須田とハンバーグオムレツ・カリスマのEIGA・BU第20回『格闘技映画特集』

[コラム]ナードマグネット・須田とハンバーグオムレツ・カリスマのEIGA・BU第20回『格闘技映画特集』(2015/02)


カ:どーも!禁酒をはじめて早1ヶ月!すっかりクリーンなロックンローラーになったカリスマです!

須:だいたい酒には飲まれっぱなし!ナードマグネット須田です!

カ:今年は平日でも御構い無しに酒に溺れる須田くんの活躍が俺の耳にも届いておりますよ(笑)

須:ほんとお恥ずかしい限りで…。良い子のみんな!ツイッターに写真とか載せるのやめような!

カ:正月に衝撃の事実が判明しまして、俺は恐らくこの先1年以上は飲まないと思うね。

須:えっ、何すか何すか!?

カ:筋肉を、、、、俺が、過酷な筋トレを行って培ってきた筋肉を、、、、アルコールが破壊してたんだ!!!!!

須:そうなんですか!じゃあ元から筋肉ない僕はもうおしまいじゃないですか!!!

カ:そう、、、つまりだ、、、このまま酒を飲み続ければ須田くんは約半年後には全身の筋肉が破壊され爆砕するということだ。

須:ヒィー!そんなわけあるかい!…さて本題に入ります(笑) 今月はちょっと僕とカリスマさんのスケジュールがなかなか合わず、共通の作品が鑑賞できませんでした。

カ:そうなんよ。なので、フォーカスを当ててる部分に共通点がある作品を互いに持ち寄って紹介し合おうかと思ったわけです。これもまた新しい試みやね。

須:はい、このコラムも長くなってきたので、ちょいちょい変化球も投げていきましょう。てなわけで、今月僕が選んだのは安藤サクラ主演の『百円の恋』です!


カ:俺は『激戦 ハート・オブ・ファイト』です!

この2作に共通するのは格闘技を取り上げてるって事やね。俺の『激戦』は香港映画なんやけど、香港映画史上初の総合格闘技を真っ向から描いた作品なんよ。

須:恥ずかしながらその作品、完全にノーマークだったんですよね。どんな映画ですか?

カ:主人公は八百長試合でボクシング界を追われて借金まみれになった元チャンピオン。こいつが親父の事業の失敗で金持ちの御曹司なのに現場仕事で日銭を稼ぐ青年を鍛えて、総合格闘技の大会に挑戦するという香港版ロッキーの様な話。
超王道のスポ根映画でした。

須:おおーすっげえクラシカル(笑)でも絶対燃えるやつですねそれ!。

カ:『百円の恋』はどんなストーリーなん?

須:主人公を安藤サクラが演じてるんですが、30歳超えてもなお実家でひきこもってて、ある日妹と壮絶なケンカをした勢いで家を出ることになるんですね。そんで100円コンビニでバイトし始めたら近所のジムに通うボクサーがしょっちゅう来て、そいつのことが好きになってボクシングにも興味を持ち始めるんです。でも元々ひきこもりで、社会性も皆無の負け犬体質なもんだから、次々にヒッッドい目に遭うんですよ。最悪なことが立て続けに起こる。そしてそんな状況と戦うがごとく、ボクシングを始めるというお話です。

カ:バリバリのボクシングストーリーやん!!じゃあ、割と試合のシーンとかもガッツリある感じ?

須:劇中に出てくるのは2試合だけで、しかも主人公が戦うのは1試合だけなんですが、ちゃんとボクシング映画ではありますね。冒頭で安藤サクラのぶよぶよの背中の肉が写されるんですけど、最終的にはしっかり引き締まってボクサーの身体になってくのがすごい!

カ:撮影中に作り込んだんやね!ボクシング映画って役者さんの分水嶺的作品になる時が多いよな。デニーロも『レイジング・ブル』でやった肉体改造が後にデニーロ・アプローチって呼ばれる伝説になった訳やし。

『激戦』の役者さん身体作りも尋常じゃないよ。もうめちゃくちゃ鍛え上げてる!

須:まあ格闘技を取り扱う以上はそうなりますよねー。だらしなボディのボクサーはいないですし(笑) んで大体この手の映画はトレーニングで鍛え上げていく過程が一番燃えるんですが、そのあたりはどうですか?

カ:よくぞ聞いてくれた!『激戦』の見所の一つにそのトレーニングシーンが挙げられるのよ!もう、ひたすらアナログなトレーニングをするのね。例えば、工業用ぶっといチェーンをダンベル代わりにしたり、坂道で大型トラックの超デカイタイヤを押したり、廃材を乗せて超重そうな手押し車を引っ張ったり、いやもう完全にロッキーや(笑)俺、観終わってからテンション上がってもうて14kmのランニングかましてもうたもんな(笑)

須:嗚呼、またカリスマさんのボディがビルドアップされていく…。『百円の恋』はそこまでキツい鍛え方ではなくて、ジムで普通に練習してるか路上でシャドーボクシングしてるかぐらいなんすけど、そこまで積み重ねられたドン底描写がすさまじいので、主人公が本気になった瞬間のカタルシスがハンパないんです!表情や動きから伝わる「チキショーーこんんの野郎ーーー!!」っていうエモーション(笑) ほんと震えます。

カ:格闘技って、そのワンチャンス感が必要やと思うねん。ありとあらゆるフラストレーションを拳でブチのめす感じ。そこに観客は引き込まれるし、興奮するんよな。日常生活ってフラストレーション溜まる一方でしょ?(笑)

須:溜まりますねえ。気に入らないことだらけ!でもまあ僕らは音楽である程度は発散できてますよね(笑)

カ:そやねん(笑)ただ、音楽は勝ち負けが無いからね、俺は格闘技とかのはっきり白黒つくのが大好きなんよ。須田くんは格闘技の試合とか観たりする?

須:全然です!スポーツ観戦ほとんどしません!でもボクシングを扱った映画って大体泣いてる気がするので、ちゃんと見たらハマるのかも(笑)

カ:まぁ映画と実際は違うけどね(笑)総合格闘技とか、寝技攻防に入ってしまうと全く何やってるのかわからんかったりするし(笑)

須:あー、寝技ある系はほんとワケわかんないっす(笑)レスリングとか…。シンプルなどつき合いが一番燃える!!

カ:それやったらボクシング絶対ハマれると思う(笑)しかし、『激戦』では意外にも寝技のシーンがめちゃエキサイティングやってんよ!もう、それから総合格闘技に魅了されてもうて、さっそく申し込みましたよ、総合格闘技のジム(笑)

須:嗚呼、いよいよカリスマさんの方向性がわからない…。 ボクシングは「シンプルなどつき合い」だからこそキャラクターの心理とかストーリーの動きとリンクさせやすいのかもしれませんねえ。それが総合格闘技だとどうなるのか…見たくなってきた…!

カ:総合格闘技凄いですよ!金網使って三角跳びで飛び蹴りしたりして、もうバルログ(笑)そんで、やっぱりここが重要なポイントやと思うねんけど『激戦』を観た人の多くは総合格闘技に興味を持ってくれるんじゃないかなってね。それって素晴らしい事やと思うねん。その辺りを『百円の恋』はどう取り上げてるかも気になる。

須:うーん、ボクシング自体に興味を持つかっていうと…そこまでディテール細かく描かれてはないかなあ。あくまでも「ドン底負け犬女が本気出す瞬間」ってのが主題になってると思いますので。

カ:ストーリーに重きを置いてるんやな。でも、女子ボクシングを取り上げた映画ってあんまり無いから、逆転劇にそれを選んだのは監督のセンスが光るね。女子ボクシングって『ミリオンダラー・ベイビー』ぐらいしか思いつかんもん。



須:『ミリオンダラー〜』はもうちょっとデカいテーマに踏み込んでいきますけどね。でも安藤サクラの女優魂はあのときのヒラリー・スワンクに匹敵するかと!あ、そうそう、『百円の恋』の監督って、カリスマさんが去年プッシュしてた『イン・ザ・ヒーロー』の武正晴監督なんですよ!これは一刻も早く見なければとあらためて思っとります。

カ:え!?そうなんや!あの監督、普段はスポットライトが当たらんことを見つけるのが上手いってことやね!って訳で俺も今週末には『百円の恋』観てきます!つーか、梅田では俺が取り上げた『激戦』も須田くんの『百円の恋』もやってる映画館が一緒なんよね。両方とも、スカイビルにあるシネリーブル梅田でやってる、という。

須:ですね!カリスマさんは色々あって行きづらい映画館とのことですが(笑) 僕もなんとか『激戦』行きたいなあ。

カ:ただ家から5分の超近い映画館なので最近はお忍びでちょくちょく行ってたりします(笑)つーか、ゴダールの新作がやるのもあそこやし、行かざるを得ない(笑)

須:大阪だとあそこでしかやらない良い作品いっぱいありますからねー。僕はすでに今年4回くらい行ってます(笑)

カ:めちゃ行ってる(笑)あそこって、何気に水曜日がレディースデイじゃなくてサービスデイで男女共に安いという素晴らしいシステムなんよね。シネコンでも取り入れてもらえないかな〜あれ。レディースデイの時に女性陣が前売りより安い金額でどんどん入場していくのは、正直悔しい(笑)

須:僕は色んなとこの会員カード持ってるから割引活用して効率的に見れてます(笑) 本数見る人はぜったいその方が得!

カ:流石はカードおじさんこと須田くんならでは映画テクニックだね!俺も今年でTOHOシネマイレージが溜まって1ヶ月フリーパスに変わりそな予感。

須:カードおじさんて!すげえ金づかい荒そう(笑) TOHOのシネマイレージ僕も溜めてます!フリーパスは変えどころに悩みますよね…ってまた話が逸れまくってる!

カ:話が逸れ始めたのなら、それが今月のお別れの合図さ。って訳でそろそろ締めにいきましょ(笑)

須:はい、こんな感じで今回はお互い相手が見てない作品をプレゼンし合うという形にしてみましたが、こういうのもおもろいですねえ。

カ:そやね。俺らの喋りの幅が広がってきた証やね。行き着くところまで行けばまだ観てない映画取り上げたりもするかもしれないね!「今回はまだ全然予定もたってないですけど、アベンジャーズ3を取り上げます!」って、、、やり過ぎですね、すいません(笑)今年はEIGA・BUのコラムをネクストステージに上げる様にバリバリやっていきましょう!!

須:へい、引き続きよろしくです!あ、あと『百円の恋』はクリープハイプが主題歌担当なので邦ロックファンもチェックよろしくです。映画の前にツアーの宣伝映像流れたのは笑いましたけど。ってな感じで、今月は格闘技映画特集でした!

カ:では、今月はこのへんで、また来月お会いしましょう!次回もブレイブ・イン!!

須:さようなら〜〜〜\(^o^)/



プロフィール 如何の通り

カリスマ: 本名不肖、牙の勇者の異名を持つキョウリュウレッド。
地球と大阪市北区の平和を守る傍らハンバーグオムレツというジャンクフードパンクバンドのボーカルとしても活動している。
EIGA・BUの「観る」担当。
HP:http://omelette.sekaibi.com

須田亮太: 顔出しNGというわけではございません。
ナードマグネットというバンドのギター&ボーカル。パワーポップという不遇のジャンルを今一度普及させるべく、大阪を中心に活動中。アイドルも好き。
EIGA・BUの「見る」担当。
HP:http://nerd-magnet.com/

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