[コラム]ナードマグネット・須田とハンバーグオムレツ・カリスマのEIGA・BU第18回(2014/12)


カ:どうも!『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション(http://youtu.be/OI13C7fTyLo)』はイマイチでショックが隠しきれない!ミスターステイサムことカリスマです!!

須:あっはははは!!あれだけ煽ってたのに(笑) こんにちは〜ナードマグネット須田です!!

カ:エクスペ3はもう、全然ダメやったね(笑)色々合わせて今年のワースト1ですね(笑)エクスペ2みたいにしてほしかったよ!!色気づいたビハインドカメラは要らんのじゃああああ!!!!
あかん。ちょっと落ち着く、、。

須:ワーストとまで言いますか!僕はなんというか、「飽きちゃった」って一言に尽きます(笑) 楽しいんだけど、もういいかなっていうか…

カ:飽きたらあかん!慣れるんや(笑)!俺はそれこそエクスペ10ぐらいまでやってほしい。9ぐらいから俺も参加出来るようにカラダも知名度高めとく算段でいるから(笑)。今作はまぁ残念でした、という感想ですね。
  でも年明けにステイサムの新作『ワイルドカード』がやるからそちらに期待!!ってわけで、今月は何になったのか?

須:はい、お互い見たばっかりのタイミングということで、クリストファー・ノーラン監督の最新作『インターステラー(http://youtu.be/-sb8axLSXvI)』です!!!

カ:これは文句無しでした。勿論、俺、SF好きやからある程度補正かかってると思うけど、それを抜きにしても非常に素晴らしい作品ですよ。劇中で5回以上泣いたって今年初かと思うな。

須:面白かったですねえー!予告がなんか地味だったんで、どんなもんかなあと思ってたんですが。僕も最後のほう泣かされました。ただ僕はSFの知識には乏しいんですけど。

カ:まあ大体のSFというとスターウォーズ的なイメージを抱くかもしれないけど、これは『ゼロ・グラビティ(http://youtu.be/aE6o6WvObKk)』に近いガチ宇宙工学物です。
相対性理論が度々話の中に出てくるやけど、そもそも相対性理論ってなに?って人が多いと思うんよね。
須田くんは相対性理論は知ってる?

須:なんとなーくボンヤリとはわかります(笑) 劇中の説明からは「ああ、ドラゴンボールの『精神と時の部屋』の逆パターンみたいな感じ?」と思いながら見てましたが!

カ:そうそう素晴らしい例え(笑)。相対性理論はガリレオが打ち立てた「物って動いてんのー?とまってんー?みんなハッキリ言っとけー。わからんー!」って理論。かの有名なアインシュタインが打ち立てたのは特殊相対性理論と一般相対性理論は「マジでバイトかったりーわ。つーか、いつの間に日曜終わったの?マジきーてねーし。」って理論。時間って人によって感じ方が違う、世界も見え方違うけどそれってなんか理論として定義出来ないのかってことをめちゃくちゃ天才が説しちゃったのが相対性理論。要するに宇宙に行くと地球での法則が通じなくなるんよね。これがこの作品の肝になってる。

須:ううむ…難しい…(笑) そもそもまずこの映画がどういう話かというとこからご説明します。地球が自然災害によって深刻な食糧不足になってて、このままでは人類が滅亡してしまうってことで、居住可能な星を探しに行くぞと。それで候補となった星のすぐ近くにはブラックホールがあって、その辺りは時間の進み方が地球に比べたらめちゃくちゃ遅くって、「おい、これじゃ探索してる間に人類滅びてまうぞ、どないすんねん。こちとら地球に娘のこしてきとるねん。」というのが大雑把なあらすじです。

カ:非常わかりやすいあらすじ解説、次期浜村淳を狙えるレベルや(笑)

須:あらすじ担当はまかせてください。

カ:しかし、今作は比類なき名作ですよ!新たなるSFの金字塔と言っても過言では無い!

須:ガチSF好きのカリスマさんがそう言うってことはSFとしての完成度は高いんでしょうね!僕はこれからパンフとかいろいろ読んで勉強しようと思うんですが、SF知識ない人でも余裕で楽しめる作品だとも思いますよー!さっき例に出したドラゴンボールのアレとか、藤子F不二雄的な世界観ぐらいに慣れてたら割とスッと入ってけるんじゃないかなー。

カ:そう、ほのかに知ってれば大丈夫。この映画は各シーンを時間をかけて丁寧に描いてるから観てて置いていかれることが無いのでね。その丁寧さがあの宇宙に出てからの「宇宙を冒険してるぜ!」って感じに繋がるんやと思うし。
今年は『ホビット(http://youtu.be/4H33BClIwUE)』に勝る冒険映画は無い思ってたから、『インターステラー』の衝撃たるや、凄いものがある。そして何より、「愛は宇宙を超える」ことを教えてくれるんですよ、この映画。って安っぽいトレーラーのキャッチコピーみたいになってしまった(笑)

須:そこですよね。めちゃくちゃロマンチックかつエモーショナルな映画なんですよ!「そんな科学的な考証とかもうどうでもエエわい!」と言わんばかりのクライマックスの怒濤のエモーションにただただ涙ちょちょぎれました。僕が思うに、ノーラン監督ってすごい頭良さそうなイメージで、実際ものすごく博識なんでしょうけど、出来上がった作品じたいは結構チカラ技で感動させにいくタイプやなーと(笑) 細かく見ていけば話のアラはあるんですけど、それを全部吹き飛ばすパワーがある。

カ:ノーラン監督って難解なテーマやのにきっちりエンターテインメントに持ち込むから凄いよ。まぁそこら辺が須田くんが言う通り力技やねんけど(笑)

須:力技ですよー。だって『ダークナイト・ライジング(http://youtu.be/G9W1KX5MO-Y)』とか、話自体はムチャクチャだったじゃないですか!でも僕2回見に行って最後の方オイオイ泣いてましたから(笑)

カ:これ元々はスティーブンスピルバーグ監督に持ち込まれてたみたい。でも、結果的にノーラン監督が撮って良かったんじゃないかと。

須:言われてみれば確かにスピルバーグっぽい題材でもありますよね!パーソナルな話をむっちゃ壮大なスケールで撮る、的な感じが。そういえば僕『ダークナイト(http://youtu.be/w_oSt4Cv99M)』以降のノーラン作品ぜんぶ2回劇場で見てるな。今回も行っちゃいそうだ。

カ:最近のノーラン作品は繰り返して観るとより良くなるのが多い。『ダークナイト・ライジング』も2回目は色々知ってる分、早い段階から泣けたし、話の粗さにも目を瞑れたし(笑)

須:単純にどの作品もものっすごい情報量多いから、一回だけじゃ咀嚼しきれないんすよね(笑)

カ:須田くんは『インターステラー』の1回目はIMAXで観た?ちなみに俺は梅田のTOHOシネマズで観たんやけど、2回目はIMAXで観たくなる映画やったね。

須:おお、僕も梅田のTOHOでした!ほんとコレはまさにIMAXで見た方がいいやつでしたね…箕面遠いなあ…泣

カ:いやーほんまに遠いよ、、、地下鉄からバスに乗り換えてやっとやからね、、交通費もバカにならんし、、、泣
明らか都心部に作ったらええと思うけど、梅田や難波の既存映画館に増築や改装して入ってこないってことは構造的に難しいんやろうね。でも、IMAXの映画が増えてきてるから、一刻も早く近くの映画館に導入してほしい。

須:まずあのサイズのスクリーン作るんが大変ですしね。学生時代なら箕面のあの辺なんてチャリでしょっちゅう行ってたのになー。あれっ、いつの間にか大阪の映画館事情の話になってる(笑)

カ:『インターステラー』難解やからね(笑)今作の話にもどしまして、これ殆どのシーンをロケで撮ったってのを知ってびっくりしてるんやけど。こんなとこがあるんか!地球すげぇ!!!って。

須:ノーラン監督って極力CGに頼らずに撮るってポリシーあるみたいですね。僕『ダークナイト』でジョーカーが病院爆破するとこ大好きなんですけど、あれも実際に建物ぶっ壊しててしかも一発撮りだとか…。ただ今作もそのこだわりを出来るかぎり貫くためか、「機体の側面に付いてる固定カメラで撮った風のショット」がやたら多いのはちょっと気になりました(笑)

カ:あれな(笑)ほんでそんなに重要でも無いショットやったよね(笑)。まさに「撮りたいから撮った!」って感じ。

須:重要でないというか「や、そこはもうCGでいいんでもうちょい派手にぶっ飛んでるとこ見せてください…」っていう(笑)

カ:しかし、そのエゴというか、味付けの仕方というか、その辺りにこの規模の非フランチャイズ系SFをヒットさせてしまうノーラン監督の真の凄さが隠されているような気がする。

須:まあやっぱこんな題材をこういう撮り方するってのは物凄いですね…途方もない!

カ:本当にすごい!思い返せばあそこでCG使うと俗っぽくなってしまうから敢えてそうしたのかもしれんし。
 …て、今月のトークここまで進んで今更なんやけど、役者の話にふれてないよね(笑)。ふれてなかったけど、マシュー父さんが居ないと成り立たない映画。あの子どもに向けた愛のデカさを観客に知らしめる演技が骨子になってこの壮大な宇宙の物語を織りなしてるわけやから。『ダラス・バイヤーズクラブ(http://youtu.be/vzw8b0CuIjE)』から今作と、なんと幅広い役者!いやぁ〜トークの終盤に出すと取って付けた感が、、(笑)

須:ほんまや(笑) いやーでもマシュー・マコノヒーほんといい役者ですよ。ここ数年、あの人の出てる映画にほぼハズレ無いです!他にもバットマン繋がりでアン・ハサウェイとマイケル・ケインも良かったですし、クレジットされてなかったあの人の登場にはちょっとびっくりしました!

カ:あの人についてはネタバレしゃうので言えないですけど驚いたね!俺、あの人が出てきた時、一瞬似てる別の俳優さんかと思いましたよ(笑)。
 SFって、まさに人間の無限の可能性と宇宙の神秘(CGを含む)の融合の物語やで!と、締めのトークに持っていく、この強引さ、どうよ?

須:あんまり上手くないです!(笑) ほな締めますか。こないだの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(http://youtu.be/9lWBdNfcVOU)』は小学生も楽しめる宇宙大冒険という感じでしたが、『インターステラー』はもうちょい年齢層高めというか、背伸びした中学生が見に行って「うおおお宇宙ヤベェェェ!!」と大興奮するような作品になってると思います!このスケール感は絶対に映画館で味わうべき!

カ:そう!是非ともこの作品も映画館で!心震わせる2014年宇宙の旅をその目に焼き付けてくれ!!次回は年明けの2014年Bestの発表かな。

須:そうですね!1年あっという間だなあ。

カ:では皆様良い年末を!2015年もブレイブ・イン!!



プロフィール 如何の通り

カリスマ: 本名不肖、牙の勇者の異名を持つキョウリュウレッド。
地球と大阪市北区の平和を守る傍らハンバーグオムレツというジャンクフードパンクバンドのボーカルとしても活動している。
EIGA・BUの「観る」担当。
HP:http://omelette.sekaibi.com

須田亮太: 顔出しNGというわけではございません。
ナードマグネットというバンドのギター&ボーカル。パワーポップという不遇のジャンルを今一度普及させるべく、大阪を中心に活動中。アイドルも好き。
EIGA・BUの「見る」担当。
HP:http://nerd-magnet.com/

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