[コラム]ナードマグネット・須田とハンバーグオムレツ・カリスマのEIGA・BU第19回(2015/01)



カ:新年明けましておめでとうございます。年末のライブの際に「全員脱いでるから目のやり場に困る」と女性のお客さんからご指摘頂いたハンバーグオムレツのカリスマです!

須:あけおめです!結局2014年は91本ライブしました!そしたら年末年始は熱出ました!ナードマグネット須田です〜。

カ:おぉ!91本!素晴らしい!今年は100本超え間違いなしやね!

須:無理無理無理!(笑) 今年はどっちかというとレコーディングに力入れると思うので去年より減るはずです!って去年も同じこと言うてましたけど(笑)

カ:そらそやな(笑)ただ流れは完全に上島竜兵的な今年は100本やりまっせになってる気がする(笑)

須:そして映画の鑑賞本数は、映画館で見た新作が79本、レンタルとかhuluとかで27本てな感じでした。

カ:俺は今年は映画館で50本、レンタル及びhulu及び購入したので20本でした。まぁ映画館以外のやつはステイサムばっかりやったけど(笑)あと映画では無いけどhuluで『ブレイキングバッド』『シャーロック』『刑事ジョンルーサー』『ハウスオブカード』を全話観ました。

須:おお…海外ドラマ、今年こそちゃんと見ます…!というわけで、新年1発目のEIGA・BUは2014年の映画ランキングを発表したいと思います!!!

カ:そやね。じゃあ先ずは俺からいきます。こんな感じになりました。

1.ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(http://youtu.be/jHPvHQCAxLY
2.LEGO® ムービー(http://youtu.be/fZ_JOBCLF-I
3.インターステラー(http://youtu.be/huNTmixOjnM
4.ゴーン・ガール(http://youtu.be/aq8X4FUMvKo
5.ベイマックス(http://youtu.be/8Bwy5SMETwU
6.イコライザー(http://youtu.be/4GGjX9r4JUI
7.ケープタウン(http://youtu.be/9M4lvNSI6SQ
8.リアリティのダンス(http://youtu.be/N4A73GpgPRs
9.イン・ザ・ヒーロー(http://youtu.be/GuCETXrnK7s
10.ウルフ・オブ・ウォールストリート(http://youtu.be/U7zD93WdqBY

須:なるほどー!まあ先にお互い発表してから詳しい感想言い合いましょうか。僕はこんな感じです!

1.LEGO® ムービー
2.テロ,ライブ(http://youtu.be/Ln7trXrdAmA
3.ウルフ・オブ・ウォールストリート
4.WOOD JOB! 神去なあなあ日常(http://youtu.be/czlmoufvB8U
5.ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
6.ゴーン・ガール
7.ネブラスカ(http://youtu.be/14Va1o-F2IE
8.プリズナーズ(http://youtu.be/852kXtkpKlY
9.新しき世界(http://youtu.be/gzhIrt0VS6A
10.紙の月(http://youtu.be/TcTe6m5U7ZI


カ:ええ感じでばらけたね。何がびっくりしたって『ウルフ〜』とかEIGA・BUで取り上げたのに2013年の作品やと思ってました。時が経つのは早い(笑)

須:『ウルフ〜』見たのは2月の頭くらいでしたね確か。それでも僕はこの順位なので、それだけ強烈だったということですねー。今回めちゃくちゃ悩んだんですが「ビックリした」「ドキドキした」「何回も見たい」という3つの観点を軸に選びました。『LEGO』はもう散々語り倒しましたが(笑)後半の驚きと感動がハンパなかったので。

カ:『LEGO』は上位に来ると思ってたけど、須田くんの『テロ,ライブ』の順位が高い!

須:『テロ,ライブ』は物凄かったです!!爆弾テロリストと放送局の元キャスターとの駆け引きを描いたサスペンスなんですが、開始5分でいきなり度肝を抜かれて、そっから最後まで手に汗握りっぱなし!!面白くない瞬間が無かったですね。今年の韓国映画ではぶっちぎりの面白さです。

カ:そやな。めちゃ油断して観にいったら度肝を抜かれて直ぐ須田くんにメールした覚えがある。

須:カリスマさんのベストテンだと、『イン・ザ・ヒーロー』と『リアリティのダンス』が未見なんすよねー。どっちも良い評判聞くので、取りこぼしたのが残念…。

カ:俺の9位の『イン・ザ・ヒーロー』は日本版『レスラー(http://youtu.be/TD7hq_PpgtM)』みたいな話で音楽をやるモチベーションを上げてくれたので感謝の意味も込めてこの順位に。今年は年末に名作ラッシュやったから順位がえらい揺らぎましたよ(笑)。8位の『リアリティのダンス』は映画そのものと言うより、生きてる間にリアルタイムでホドロフスキー監督の作品が観れたってのが嬉しかった。
23年ぶりの新作やし、ホドロフスキー監督はなんと85歳!「創作する事に限界は無い!」と、監督から強烈に激を入れて貰えた特別な作品になりました。ただ、万人にはオススメ出来ないぐらいカルトな内容です(笑)

須:カルトでむちゃくちゃな内容は昔からなわけですが(笑)、85歳になってもまったく衰えてないのが凄いですね!早く見なきゃ!!その他、当コラムで取り上げてないとこで『ゴーン・ガール』、『ベイマックス』、『ケープタウン』あたりの話からしていきますか?

カ:そやね。といっても、『ゴーン・ガール」は殆ど喋られへんよな(笑)兎に角面白い映画やけど、どこを話してもネタバレの危険が、、。

須:いやほんと、話の展開が死ぬほど面白いので、「なんか嫁が失踪して旦那が探す話」くらいの認識で見に行っていただくのが一番かと(笑)

カ:絶対に観てほしい!結婚してる人には特にオススメですよ!それ意外やったら『ベイマックス」から行きますか。俺は日本語吹き替えで観たんですが、須田くんは当然、字幕やんね?

須:字幕で見ました!

カ:安定の出来やったけど、日本語吹き替えは菅野美穂と小泉孝太郎が声を当ててて、それだけが何とも違和感が、、。それは置いといても、ベイマックスがひたすらにAIな所が素晴らしい作品でした。ドラえもんにはなりえないのよな、ベイマックスは。そこが良い。

須:それこそ日本での予告はドラえもん的なほっこり感動SFみたいな雰囲気でしたが、いざ蓋を開けてみれば「これ完全なるマーベル映画やないか」と言いたくなるぐらい真っ当なヒーローものでしたね!『アナ雪』で全世界の女の子を熱狂させた後でちゃんと全世界の男の子も熱狂できる作品持ってくるあたり、ディズニーも抜け目ねえなと(笑)

カ:なんせ天下のディズニーですから根こそぎ行きまっせ(笑)ただ、タイミングが悪かった感は否めない。最近、甥っ子と遊んでて思ったけど、ベイマックスって全然知らんのよな。完全に「妖怪ウォッチ」の影に隠れてしまってる。ジバニャンはバケモノ過ぎる。

須:こんだけ日本びいきの作品なのにとんだ強敵現るですね…(笑) 僕も『ベイマックス』自体は大好きで超楽しんだんですけど、同時上映の短編『愛犬とごちそう』が全く好きになれなくて、なんとなく気分的にベストから外しちゃいました。あんなん倫理的に問題ありますよ!(笑)

カ:え!意外や意外!愛犬がんばっとったやん。まあ、あの調子やと愛犬は塩分過多で早死にすると思うけど(笑)
須田くんは「愛犬とごちそう」のどこらへんがあかんかったん?"

須:その「塩分過多で早死に」ってとこです(笑) あんなエサの与え方しちゃ絶対だめです!!!子供がマネしたら大変!!!

カ:確かに!そして、あのメニューだと確実に太る!俺は逆に「あーこのまま行くとこの犬は後2年足らずで死ぬわ。アホな飼い主に拾われてしまったな。」って思って泣けた(笑)けど、子どもが真似するとヤバすぎ!このコラムの読者さんはご存知かと思いますが、人間の食べ物は犬や猫にとって有害です。塩分やコレステロール値が高すぎからね。

須:だもんで、オトナ向けの悪趣味な演出としてならまだしも、ディズニー作品で「良い話」としてやっちゃうのはマズいよね、と思ったわけです。

カ:確かに「良い話」では無いからね。つーか、まさか、欧米ではあんな感じでエサあげてたりはせんよね?

須:どーなんすかねー。コレに関する向こうでの評判あんま聞かないですね。日本の愛犬家は結構怒ってるみたいです(笑)まあ短編ばっかディスっててもしゃあない!次いきましょう!(笑)

カ:そや!こんな所でとどまってる訳にはいかん!『ケープタウン』は、埋もれてしまったけど名作やわ。
南アフリカのケープタウンを舞台にした重厚な刑事モノの作品やねんけど、『ホビット』からはとても想像出来ない薄汚れたオーランド兄様の姿を拝めるという。

須:平和な日常生活の裏側にはこんなどえらい地獄が広がってますよ、といった感じのイヤーーな傑作でしたね!ブラック鶴瓶師匠ことフォレスト・ウィテカーの演技も素っ晴らしかったです。

カ:ウィテカー師匠は2014年カリデミー主演男優賞に輝く圧巻の演技!後半20分は鳥肌立ちっぱなしやった!ちなみに麻薬の元締め役で出てた役者さんは本場のギャングの方らしく撮影当時は刑務所から現地に通ってたとのことで、色々ヤバすぎ(笑)

須:そこまでせんでも!おっそろしい!一筋縄ではいかないハードな刑事サスペンスを見たい方には是非おすすめですね。

カ:須田くんのランキングだと『紙の月』と『プリズナーズ』は俺も観ましたよ。どちらも観ながら手汗が凄かった。監督の力量が半端ない。『紙の月』は『桐島、部活やめるってよ(http://youtu.be/KjjG0WTQ6C4)』、『プリズナーズ』は『複製された男(http://youtu.be/PCBnoKpAXQU)』それぞれ同監督の作品ですが、どれもえげつない出来の作品ばかり。

須:『プリズナーズ』については上半期ベストの時にもちょっと話したのでそっちを参照していただきたいんですが、まるで韓国映画のような容赦の無さがサイコー!『紙の月』はぶっちゃけ音楽の使い方とかに多少の不満はあるんですが、とにかく小林聡美の素晴らしさに尽きます!あんな上司、知ってます!!(笑)

カ:俺もあんな上司と仕事したことあるけど、すげえ苦手なタイプ(笑)俺は石橋蓮司が演じる金持ちの爺さんが好きでしたね。なんかAVに出てきそうな粘着質のエロさがありましたね(笑)

須:でもそんなイヤーな上司とかイヤーな顧客とかが、見終わってみるとちょっと印象が変わってくるあたりが上手いですよね。『桐島〜』もそうでしたが、人間関係を丁寧に、かつスリリングに描いてると思います。

カ:大半の監督は原作をそよまま映像化して、その辺りが全部失われてしまって結局ストーリーだけなぞってるようになるからね。ところで、須田くんのランキングで『WOOD JOB』めちゃ上位にきてるよね。俺、須田くんに勧められたけどまだ観てないのよな。でも、ランキングのこの位置ってかなりの高評価やね。

須:あらためて思い返してもやっぱり良い映画だったなあと!年間ベストってどうしても選んでるその時点の気分が反映されるので、上半期のやつからもっと変動するかと思いきや、コレはやっぱり入れたかったです。邦画のコメディってどうしてもテレビのバラエティー的な面白さに傾きがちなんですけど、矢口監督はしっかりと良質な映画を作ってくれてます。
上半期ベストから変動したとこだと僕は『ネブラスカ』と『新しき世界』を持ってきたんですが、この辺は見ました?

カ:ムググ、、、観てないのよ。この2作品はどんな内容なん?

須:『ネブラスカ』は僕の大大大好きな『ファミリー・ツリー(http://youtu.be/s2XTV8eQLCM)』とかを撮ったアレクサンダー・ペイン監督による白黒のロードムービーで、迷惑メールとかでありがちな「おめでとうございます!賞金が当選しました!詳しくはこちらまで連絡ください」的なダイレクトメールを真に受けちゃったちょっとボケてるおじいちゃんが「わしゃ賞金を受け取りに行くぞ!」って言い出して、息子が仕方なく着いていく、って話です。かなり地味〜な人間ドラマなんですが、見終わってから「このおじいちゃんはどんな人生を歩んできたんだろう」なんてことをボンヤリ想像してたら、映画本編の細かいセリフとかがジワジワ効いてきて、最初見たときは泣かなかったのに後で思い出し泣きする、っていう珍しい現象が起きました(笑)味わい深い名作だと思います。

カ:『新しい世界』は韓国版の『インファナル・アフェア』との呼び声高い作品よね。チェ・ミンシクが出てるからすげえ観たかってんけどな。

須:めちゃくちゃイイっすよ…!ヤクザ組織に警察がスパイを送り込むっていうよくある潜入捜査モノなんですけど、主人公と、ヤクザの兄貴分との関係性がめちゃくちゃ切ないんですよ。もう完全にラブストーリーですよ。おっさんしか出て来ないけど!

カ:おお、なんかジョニデとアル・パチーノの『フェイク』みたいな内容!おっさんしか出てこないラブストーリーって(笑)
つーか、須田くんは絶対にオシャレとは一線を画す男臭い作品を挟んでくるよな(笑)

須:根がオシャレじゃないですから!『グランド・ブダペスト・ホテル(http://youtu.be/fV3a3Nq-viQ)』とか入れたらよかったかな…(笑) というか、ボンクラ文科系の道をずっと歩んできたので、あーいういかつい男の世界に対する憧れもあるのかもしれません。カリスマさんのランキングに戻りますが、上位作品の順位の決め手みたいなのって何ですか?

カ:いや、本音を言えば、ステイサム作品ばかりにしたかったけど、そうするとランキングは年間ランキングじゃなくなってステイサムランキングになるから、自分の中のステイサムを押し殺してノーステイサム状態にして選んだ結果こうなった、としか。

須:はあ(笑)ステイサム作品いまいちでしたもんね…2015年には期待したいところです…。

カ:まぁ、EIGA・BUで取り上げた作品が殆どなわけやけど、やっぱりどれも面白かったし、ちょうどTSUTAYAでDVDを借りて観れるものもあるのでそれも踏まえてこの順位かな。とはいえ、『LEGO』と『GoG』は同率首位に近くて、サントラの分だけ『GoG』かなって。

須:僕も普通であれば『GoG』が1位でもおかしくないぐらいなんですけど、その上の4本は見る前の期待値を遥かに超えてきたんすよね。『GoG』は最初からめっちゃ期待してて実際チョー面白かったっていう、その差でした。なので、映画見てびっくりしたい方はぜひ僕の上位4本を見ていただきたい!前情報を入れず、過度な期待をせず!(笑)

カ:それ大事!なんせ昨今は前情報が氾濫してる時代。昔はそれこそ浜村淳さんの丁寧過ぎる解説をラジオで聞かなきゃ大丈夫でしたが、今はネットの脅威があるから、、。そこのお姉さん!観てない映画のYahooの映画レビューなんて絶対に観ちゃダメ!そこのH市KZH在住の某バンドベーシストは映画の重要なシーンの話をLINEでまだ観てない須田くんに送っちゃダメ!(笑)

須:最近パパになったあいつですね。皆さん映画のネタバレトークしたいときは必ず最初に「○○もう見た?」って聞きましょうね!

カ:あ、読者の皆さん。EIGA・BUは不意のネタバレは無いのでご安心下さいませ。と、当コラムの安全性を再認識して頂いたところで、今回もそろそろお別れのお時間が迫ってまいりました。須田くんは今年の注目してる作品とかあるかな?

須:今年はもう『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン(http://youtu.be/mnZcrblRZv8)』が面白ければそれがたぶん1位です!(笑) あと4月公開の『寄生獣(http://youtu.be/DKEI4A95wSg)』の完結編もすごい楽しみです。ベスト10には入れなかったんですけど、前編はかなり興奮したので。あれ理想的な実写化だったと思いますよマジで!!

カ:『寄生獣』は俺も観たよ。同じ監督のCG版『ドラえもん(http://youtu.be/OVw__hIg3IU
』がカスだったから、恐る恐る観に行ったけど良作でした。原作は俺の人生に多大なる影響を与えた作品やねんけど、割と上手くアレンジされてたと思う。日本映画では稀な殺しまくりな内容やけどグロすぎる事もなくスプラッター系が大嫌いな俺でも許容範囲のゴア描写でした(笑)俺の注目作は須田くんが言うアベンジャーズは勿論のこと、年末の『スターウォーズ エピソード7/フォースの覚醒(http://youtu.be/jajbQ2iOtAA)』にも期待してます。あのトレイラーに出てたシスの新型ライトセイバーが欲しすぎる!!ではでは今月この辺で、今年もよろしくお願いします!
2015年もブレイブ・インだぜ!!

須:今年も映画館とライブハウスにはたくさん行きましょう!よろしくお願いします〜〜\(^o^)/




プロフィール 如何の通り

カリスマ: 本名不肖、牙の勇者の異名を持つキョウリュウレッド。
地球と大阪市北区の平和を守る傍らハンバーグオムレツというジャンクフードパンクバンドのボーカルとしても活動している。
EIGA・BUの「観る」担当。
HP:http://omelette.sekaibi.com

須田亮太: 顔出しNGというわけではございません。
ナードマグネットというバンドのギター&ボーカル。パワーポップという不遇のジャンルを今一度普及させるべく、大阪を中心に活動中。アイドルも好き。
EIGA・BUの「見る」担当。
HP:http://nerd-magnet.com/

ナードマグネットのインタビューはこちら