[コラム]ナードマグネット・須田とハンバーグオムレツ・カリスマのEIGA・BU第34回

[コラム]ナードマグネット・須田とハンバーグオムレツ・カリスマのEIGA・BU第34回
『サウスポー』&『デッドプール』(2016/07)



カ:どうも!ときめき坂高等学校で、この夏からみんなの授業を受け持つことになった新任熱血教師の假屋崎ことカリスマだ!

須:説明しよう!ときめき坂とは私の母校である滋賀県の某高校の近くにある、なんの変哲もない坂道の名前である!ナードマグネット須田ですー!

カ:で、須田くんの通ってた高校がときめき坂高等学校やったというわけですね。

須:そんな昔の恋愛ゲームみたいな名前の高校あるかい!そういえばこないだ『ちはやふる 下の句』

見たんですけど、主人公の最強のライバルが着てる制服がうちの母校のやつだったんですよ。校舎もちょっとだけロケで使われてるみたいなんですけど、僕が卒業したあとで全面的に建て替えられたので全然気付きませんでした。

カ:なるほど。ちなみに実際、カルタの強豪高校なん?

須:強豪かは知りませんがかるた部は盛り上がってるみたいですよ!近江神宮とかも出てくるし、滋賀県民には色々と嬉しい作品でした。でも今回取り上げる作品は『ちはやふる』ではございません!

カ:な、なに!!てっきり『ちはやふる』かと!俺、観てないけど(笑)はい、今回は二作品取り上げます。先ずは感動のボクシング映画『サウスポー』

です。

須: はい!ガッチガチに身体を鍛え上げて完全にボクサー体型になってるジェイク・ギレンホールが主演で、そして監督はみんな大好き『イコライザー』

のアントワーン・フークアです!

カ:これ、リメイクなんよね。しかも、それに目をつけたのがあよエミネムっていう。結局、スケジュールが合わなくて楽曲提供だけになったみたいやけど。

須:えっ!そうだったんだ!元のやつ見てみたいな…。エミネム出れなかった代わりに50セントが出てましたね!配役の時点で「こいつ絶対良い役じゃないな」と思ってました。

カ:最高にイカつくて胡散臭かったよな(笑)ちなみにオリジナルでは奥さんは最後まで存命みたい。

須:ちょ、僕予告とか見てないんですけどそれ言って大丈夫なやつですか?(笑)(※予告でわかる範疇なのでセーフ)
 てかストーリーを紹介してなかった!ボクシングの世界チャンピオンが色々あってドン底まで突き落とされて、新たなトレーナーと出会って再チャレンジ!という、まあこれだけ聞くとと超ベッタベタ、オーソドックスな格闘技モノです。しかし燃えます。燃えて泣きます。

カ:試合のシーンが結構な迫力やってビックリした。序盤は打たせて打つってスタイルを貫いてるから、まぁボコボコの血まみれになるし、やたらカメラが主観視点になるからもう殴られてる感じが凄い(笑)後、何よりセコンド役のチャーリー・パーカーほんといい味出してたね。

須:その言い方だと知らない人混乱しますよ!(笑) フォレスト・ウィテカーさんですね(※昔チャーリー・パーカーを演じてたのです)。米国の鶴瓶師匠。彼に教わることで徐々に主人公の戦いのスタイルが変わってくるわけですが、そこがこの映画の個人的感動ポイントでした。ジェイクがガードするだけで泣ける。ガードで泣けるなんてことがあるのか!

カ:あと、ちょっと気になってんけど、ストーリーは王道やねんけど、「ガードが上手くなる」「必殺パンチを覚える」「主観視点のカットが多い」ってとこがね、まるでゲームみたいやなって。やっぱりちょっと意識しての作りなんやろうかな。

須:なるほど!ゲームあんまやらないのでその視点はなかったです。ボクシング映画というとちょうど半年前に『クリード』

という傑作がありましたが、あっちは途中の試合をワンカットで見せてたりして、試合の見せ方だけ比較してもかなり違ってて面白いですね。あと、今作の主人公と比べるとアドニスってやっぱ恵まれてるよなーと思いました(笑)

カ:今作の主人公はちょっと試合せんだけで税金貧乏になるわ、失業するわ、娘から引き離されるわ、クソ狭くてクソ汚いアパートにしか住めなくなるわ、と。桃鉄ならキングボンビーがベタ付きになったかの凋落っぷり。アドニスはまあ裕福やし、伝説の男がトレーナーやし、つーか本人も伝説の男の息子やし、いきなりビッグチャンス巡ってくるし、なにこの差(笑)まあでも、そのお陰で今作が凄いハングリーな作品なったんやろうけど。

須:ドン底に落ちる描写がなかなかキツイぶん、後半めちゃくちゃ燃えるんすよねえ。しかしジェイク・ギレンホールは凄いですよね。『ナイトクローラー』

の不気味なパパラッチ役から一転してコレですから。振れ幅がハンパない!

カ:同じ俳優さんとは思えないよ。でも、今回特に身体を作り込んできてた印象やったけどね。無駄な脂肪が無いことは勿論として、無駄にデカくなくて必要な筋肉を必要なだけ纏ってる感じ。ほんと、ボクサーの体型っぽいなって。しかし、一つ悲しいお知らせがあります。多分、このコラムが挙げられる頃には上映してる映画館は殆ど無いかと思われる(泣)

須:そう、このやりとりをしてる時点でも既に大阪市内ではTOHOシネマズなんばで夕方の上映1回のみという状況……悲しい……まあレンタル開始したらぜひ見てください!ということで今月はもう一本紹介しましょう!こちらはヒットしてるから、もしかしたらもうちょいロングランかも?な『デッドプール』

です!

カ:今月は新作がどんどんでてくるからね、、。さて、『デッドプール』ですが。言っていいですか!最高でした!既に2回観に行きましたよ!ほんまにアホほほどオモロイ!!

須:マーベル初のR指定映画なのに大ヒットしておりますね!末期ガンを克服するべく人体実験を受けたら不死身のミュータントになって顔がボロボロになってしまった可哀想な男が、彼女を取り戻すべくがんばるというお話です。

カ:デッドプールはアメリカでは無茶苦茶人気あるけど、日本では無名に近い存在やったよね。色々アウトなんだけど、こいつの一番特徴は第四の壁を破るってとこ。劇中、自分でカメラの向きを変えたりする(笑)後、リンプをディスったりする(笑)

須:「第四の壁を破る」ってのはつまり、観客に向けて話しかけてくるってことですね。ライアン・レイノルズ演じるデッドプールがとにかく劇中ずーっと喋りまくり!しかもほとんどが下ネタか、映画やら音楽やらのカルチャー・ギャグ。リンプネタはぼくも笑いましたけど、正直マニアックすぎて拾いきれてないネタも沢山あります。

カ:初っ端からライアン先輩が演じられた超大ヒット作こと『グリーン・ランタン』

を意識したカットがあったり、俺を緑にするなって言ってたり、予算少ないからX-MENはこれ以上出せないことぶっちゃけたり、やりたい放題!!

須:いやいや、『グリーン・ランタン』が超大ヒットなんて嘘ついちゃダメです!(笑) あれがコケたから自分でネタにせざるを得ないわけで…。そうそう、このデッドプールはマーベルコミックのキャラではあるのですが、映画では『アベンジャーズ』の世界ではなく『X-MEN』の世界の住人なんです。アメコミあんまり知らない人は混乱するかも。X-MENシリーズを全部見て予習する必要まではないですけど、「プロフェッサーXという人が世界中から集めたミュータントのチーム」ということくらいは頭に入れておくといいかもしれません。

カ:そやね。既存のX-MENの映画シリーズとは一線を画すテイストやから今作がそのままクロスオーバーしていくわけでは無いけど、知ってるとより楽しめること間違いなし。しかし、ヒーロー映画なのにR指定って、完全にターゲットを大人に絞ってるわけで。よくまあ映画化してくれたなと感心するわ。ライアンの入れ込み具合というか、気迫というか、怨念というか(笑)なんせスクリーンからバンバン伝わってきた!

須:R指定回避するためにマイルドにしたバージョンも作ったらしいんですけど、やっぱ全然ダメで、今の形に踏み切ったっていう経緯があるみたいですね。大正解ですよね。「なんかR指定のヤバそうな映画あるらしいよ」みたいな感じで興味もたせて、実際おもしろくて口コミで広がる、みたいなパターン結構多い気がします。

カ:そう聞くとほぼほぼインディーズの映画みたいな作りよね。ルールを守っためちゃくちゃ感!演出が振り切れてるから観てて気持ち良いのよな。ほんま、どこの国に倒れてる敵を蹴るヒーローがいるよ(笑)あぁ、デップーみたいな仮面ライダーとか出てこやんかな?(笑)

須:仮面ライダーでこんなことやったらPTA大激怒ですよ(笑) 残酷で、下品で、でも最後はキュンとくる、オトナ向けのエンターテイメントです。これを見たらきっと「スーパーヒーロー着地」がしたくなるはず!

カ:したくなるね!須田くんは既に2?3回ライブでスーパーヒーロー着地を極めたと聞いたんやが。

須:やりました!膝だけでなく右手にもダメージが大きいので、やっちゃダメです!

カ:危険しかない!(笑)皆さんも決してマネしないで下さいね。もし、スーパーヒーロー着地やってケガした場合、EIGA・BUでは一切責任は持てませんよ!はい、今回は2作取り上げましたが、そろそろお別れのお時間が迫ってまいりました。

須:なんだかんだで毎月ヒーロー映画ばっかり取り上げてる気がしますね!来月はちょっと毛色の違うとこ行きたいですね。

カ:そやね!ヒーローは好きやけど来月は違うジャンル意識していこう(笑)では、みんは、また会おうぜ!!

須:あ、上半期ベストの発表とかでもいいですけど!なんにせよお楽しみに!またねーー。




プロフィール 如何の通り

カリスマ: 本名不肖、牙の勇者の異名を持つキョウリュウレッド。
地球と大阪市北区の平和を守る傍らハンバーグオムレツというジャンクフードパンクバンドのボーカルとしても活動している。
EIGA・BUの「観る」担当。
HP:http://omelette.sekaibi.com

須田亮太: 顔出しNGというわけではございません。
ナードマグネットというバンドのギター&ボーカル。パワーポップという不遇のジャンルを今一度普及させるべく、大阪を中心に活動中。アイドルも好き。
EIGA・BUの「見る」担当。
HP:http://nerd-magnet.com/

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