[コラム]ナードマグネット・須田とハンバーグオムレツ・カリスマのEIGA・BU第36回

[コラム]ナードマグネット・須田とハンバーグオムレツ・カリスマのEIGA・BU第36回 (2017/03)


カ:どうもご無沙汰しております。ハンバーグオムレツのカリスマです。皆さま長らくお待たせしました。ん?そこのあなた、今、「もうフェードアウトしたんじゃないかと思ってましたか?まだだ!まだ終わっていない!「帰ってきたEIGA・BU」の始まりだ!!

須:おひさしぶりですーーーナードマグネットの須田です!『シン・ゴジラ』以降音沙汰なくてごめんなさい!お互いバタついてましたからね…またやってよーというお声も沢山いただきましたので、ちょっと今後は更新頻度は落ちますが、再開しようと思います!!

カ:ほんと、随分、経っちゃいましたね。『シン・ゴジラ』はもうBlu-rayになっちゃいましたからね(苦笑)。ちなみにツイッターでは見てんけど直接聞ききたい。ズバリ去年の須田くんのNo.1はなんぞや?

須:インド映画の『PK』

です!『きっと、うまくいく』

の監督&主演コンビの新作ですね。見ました?

カ:俺、まだ観てないんよ。どんな映画なんかな?

須:一言で説明しきれん内容なんですが(笑)、今年公開されたマーティン・スコセッシ監督の『沈黙』

と同じようなテーマをめちゃくちゃコミカルにわかりやすく描きつつ、最終的には死ぬほど切ないラブストーリーに発展する、みたいな…。これだけ言っても意味わからんと思いますが、見ればわかります!(笑)

カ:おぉ!確かにその内容は一言では無理だ(笑)今調べたら4月にはBlu-ray出るようなので早速チェックしてみます!しかし、主演のアーミル・カーンの身体の仕上がりが尋常じゃ無いレベル!(笑)

須:そうなんすよ、冒頭から素っ裸ですからね。相手役の女優さんもめちゃくちゃ可愛いです。カリスマさんの去年1位はなんですか?

カ:俺の去年1位はぶっちぎりで『カルテルランド』

やね。須田くんはこれ観たかな?

須:あ!見たかったやつだ!!ドキュメンタリーですよね。麻薬戦争の。

カ:そうそう!これほんまに凄いよ。メキシコの麻薬カルテルに対抗して出来た自警団に密着したドキュメンタリーやねんけど、内容が余りにも衝撃的過ぎて何回観ても脳がフィクションって認識しようとしてしまう。去年、『ボーダーライン』

って映画がやってたけど、『カルテル・ランド』を観るとあの映画はリアルに麻薬戦争を描いてるって事がよくわかる。

須:『ボーダーライン』めちゃくちゃおもろかったっすねー!麻薬戦争は現在進行形の問題なだけあって、凄まじい映画やドラマが沢山作られてますね。言うたら『ブレイキング・バッド』

もその系譜ですもんね。

カ:そやねん。『ボーダーライン』も『ブレイキング・バッド』も凄く面白いから未見の方は猛烈にオススメしたい。ちなみに 『カルテル・ランド』にはメキシコとの国境線をアメリカ側から監視してる自警団も出てきて、トランプ大統領の荒唐無稽なメキシコとの国境線に壁を作るって政策に支持者がいる理由も垣間見ることが出来るっていう。いつも感心するんやけど、海外は日本ではなかなか描かれないギリギリのラインに切り込んでる作品が本当に多いよね。

須:そうですねえ。『PK』も宗教について本当に「そこまで攻める?」ってとこまで描きますから。震えますよ。トランプ時代に戦ってる映画という意味では、去年は『ズートピア』

も印象的でしたね。ディズニーの本気を見ました。アカデミー賞も獲ったし。

カ:『ズートピア』は、子どもが観れば楽しい映画、大人が観ると社会派映画になってるという。観た後、ディズニーってとんでもないことするなぁって感心した。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 』

もそうだったけど、世相を反映して絶妙にブレンドする技術は舌を巻くよね。まぁ『バットマンVSスーパーマン』

っていう盛り込み過ぎて爆ぜた作品もあったけど(笑)

須:DC勢はひどかったです!『スーサイド・スクワッド』

もマジで期待外れだったし…。『ワンダーウーマン』

で巻き返してくれることを祈るばかり。…とまあ去年の映画の話だけでも十分ボリュームあるんですけど、次いつ更新できるかもわからんので、今年の映画の話もしましょう(笑)早いもので今年も1/3が終わろうとしてますが、何かおもろい映画ありましたか?

カ:今年は『ラ・ラ・ランド』、

『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』、

『ドクター・ストレンジ』

が良かったね。逆に『マグニフィセント・セブン』

はちょっと期待外れやった。須田くんはどない?

須:『雨の日は〜』だけ見れてないですね。ジェイク・ギレンホール出てる映画は最近ハズレ無いから早く見に行きます!

カ:『雨の日は〜』はジェイク版『ファイト・クラブ』

のような、ミニマリズムを根幹に置いた非常しっとりとした素晴らしい映画やったんでオススメやわ。『ラ・ラ・ランド』はアカデミーでの悲劇が怪我の功名になってめちゃくちゃ入ってるみたいやから、このコラムが更新される頃にも上映してるとこがあるかと。

須:『ラ・ラ・ランド』は僕も年間ベスト級ですねー。あんな切ない気持ちで映画館出るとは思わなんだ…。あと僕は『トリプルX:再起動』https://youtu.be/bYpkxgfeUUAを激推ししたいですね!!!興奮して観賞中変な声出ましたからね!!!

カ:『トリプルX:再起動』まだ観てないわ。あのシリーズ自体がお蔵入りになりそうやったのに、完全復活って訳やな。

須:たぶんみんな「なんで今更トリプルX!?」って思ってましたよね(笑) しかしまあこれが、シリーのファンもアクション映画好きも感涙モノな内容なんすよ…。ドニー・イェンとトニー・ジャーが共演してる時点でサイコーなんですけど、クライマックスの盛り上がりっぷりがちょっと尋常じゃなかったです!カリスマさんは絶対見た方がいいやつ!

カ:聞けば聞くほど俺の好物しか入ってないよね(笑)ほんま最近のドニーの兄貴の映画出演ペース早いよね。去年末ぐらいから週6ぐらいで戦っておられるイメージ(笑)ちなみに素朴な疑問なんやけど、これ、アイスキューブ先輩のトリプルXは黒歴史になって封印されてるんかな?

須:まさかのヴィン・ディーゼルが出なかった2作目の話ですね(笑)実はそこも踏まえたうえでの続編になってるんすよ…まあ見てみてください感動しますから!あと3月に入ってから『お嬢さん』、

『哭声 コクソン』、

『アシュラ』

と、ヤバい韓国映画が立て続けに公開されてて、久しぶりに僕の中で韓国ブーム来てます。アシュラだけまだ見れてないんですが、先の二本はとてつもない傑作でした!

カ:ヤバい!俺、その波に乗り遅れてるよ!(笑)『哭声 コクソン』は観に行く予定やってんけど、後の2本は完全ノーマークやったわ。

須:『お嬢さん』はパク・チャヌク監督の新作ですね。変態度合いを高めたタランティーノ映画みたいな一本でした(笑) パク・チャヌクって「エグいっしょ?ヤバいっしょ?でもちょっとハズしも効いててオシャレっしょ?」みたいなドヤ顔が見えてくるような作品が多い印象だったんですが、なんというか、今回はしっかり血の通った作品というか、エモーショナルですばらしいです。

カ:『お嬢さん』って、まぁパク監督の作品ってのがわかるエッジの効いてる邦題(笑)。サラ・ウォーターズの『荊の城』を原作にして、舞台を日本統治時代の朝鮮に置き換えるとか、そもそもの発想がぶっ飛んでる!

須:そう、だから日本人もいっぱい出てくるんですけど、全員韓国人が演じてるからみんな日本語ヘタクソなんですよ(笑) 海外の人たちのカタコト日本語を聞くと無条件でキュンとしてしまう僕としては至福の2時間でした。

カ:ヘタクソな日本語ってなんかドキドキするよね(笑)さて、もう一つの『哭声 コクソン』やけど、これはファン・ジョンミンが祈祷師役で出てるんよな。『新しき世界』

で俺を号泣死寸前まで追い込んでくれて以来、彼を心の兄貴と慕っております。

須:すごかったですよ!祈祷シーンの意味わからん迫力たるや。映画館で爆音で体感したほうがいいです!ただこの映画、たぶんキリスト教的メタファーがめちゃくちゃ沢山散りばめてあるんで、日本人にはわからんところも多いんじゃないかなと。僕も理解が追いつかなかったので、復習してもっかい見たいです。でも凄いのは、「わけわからんけど、超おもしろい…!」って感じなんすよ(笑)演技と演出でグイグイ引き込まれるから2時間半もあっという間!

カ:ほう、めちゃくちゃ楽しみになってきたぞ。「わけわからんけど、超おもしろい!」って映画を作れてしまう韓国映画の勢いたるや、ほんま凄いよな。日本ではなかなかそうは行かない、そもそも企画が通らないやろうし。この映画ってジャンルでいうとスリラーになるんかな?

須:最初は「不可解な殺人事件の真相は?」的なサスペンスなんですけど、そこからジャンルがぐにゃぐにゃ変わって行って、気づいたら予想できない場所まで連れてかれてる感じですね。最近だとシャマラン監督の『ヴィジット』

とか黒沢清監督の『クリーピー』

とか、見てる途中で「怖さの種類」が変容していくじゃないですか。あんな感じ。

カ:なかなか濃密な2時間半になりそう、つーか、怖いねんな、、覚悟して観に行くぜ(笑)そうなると、須田くんが最後にあげてた『アシュラ』も気になってくるよ。このコラムが更新される頃には劇場公開されてるやろうけど。

須:東京で先に公開されてめちゃくちゃ評判いいですからねー!久しぶりにエグい韓国映画がたくさん見られて幸せ!もうすぐポン・ジュノ監督の新作もNetflixで配信されるらしいので、これも要注目ですよー!!

カ:でた!!Netflix!!いやー須田くん、、もう俺はこの半年でNetflix無しでは生きていけなくなってしまったよ。寝ても起きてもNetflixばっかり観てる。お陰でアメコミヒーロードラマに超詳しくなってしまった。もはや、ただのヒーローオタクですよ(笑)

須:いや、ほんまにすごいですねNetflix!ドラマも映画も充実しまくり。と言っても僕はなかなか時間なくて多くは見れてないんですが…。ドラマだと『LOVE』

と『ストレンジャー・シングス』

が好きですね…ってこれ話止まらんくなるやつや!

カ:そやねん!やばいねん!観ても観てもどんどん増えるから、最早人生の時間が足りない(笑)だから、それは別のコラムを立ち上げてそっちでやろう(笑)でも、前から言ってますがやっぱどれだけコンテンツが増えても、映画は映画館じゃないと体験出来ない魅力でいっぱいだからね。難波にIMAXも出来た訳だし、今こそ是非映画館に足を運んで欲しい!

須:今回話題にした作品はどれも映画館で体感する価値ありまくりなので是非ともですね!まあでも次回はNetflixの話もしましょか。無視できないコンテンツなので!また3ヵ月後くらいを目安に更新できればと思いますが!

カ:Netflix回やっちゃおうか!いいねぇ、遂に黒船に斬り込む訳だね(笑)溜まりに溜まった話を持ち寄って、またこの場所で会おうって訳で、次回は夏頃の更新になるかな。ナードマグネットの新譜のリリースもあるから、それも要チェックやで!

須:はーーい6/7にミニアルバム『MISS YOU』リリースしまーーす!!よろしくお願いしまーーす!!!というわけで今回はこのへんで!!!
カ:ではでは、皆さん夏までお元気で!ブレイブ・イン!!



プロフィール 如何の通り

カリスマ: 本名不肖、牙の勇者の異名を持つキョウリュウレッド。
地球と大阪市北区の平和を守る傍らハンバーグオムレツというジャンクフードパンクバンドのボーカルとしても活動している。
EIGA・BUの「観る」担当。
HP:http://omelette.sekaibi.com

須田亮太: 顔出しNGというわけではございません。
ナードマグネットというバンドのギター&ボーカル。パワーポップという不遇のジャンルを今一度普及させるべく、大阪を中心に活動中。アイドルも好き。
EIGA・BUの「見る」担当。
HP:http://nerd-magnet.com/

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