画像([コラム]「ナードマグネット 須田 とハンバーグオムレツ カリスマ のEIGA・BU」)

[コラム]「ナードマグネット 須田 とハンバーグオムレツ カリスマ のEIGA・BU 第1回 〜グランドマスターにいつなるの?今でしょ〜の巻」(2013/06/18)


「全宇宙の皆さん、どうもはじめまして、そして、聴いて驚け!ハンバーグオムレツの牙の勇者キョウリュウレッドことカリスマです。」

「いきなりスケールがでかい!どうもコンニチワ、ナードマグネットのナード担当、須田です。好きな鈴木は鈴木裕乃です。」

「ナード担当って何?(笑)そして、鈴木裕乃ってどちらさん?(※アイドルです )
さて、本日から始まりました関西インディーズ映画マニア界の雄須田とカリスマによる映画好きの為の映画情報連載!その名も「EIGA・BU」。これから毎月、最新映画を、時に愛しく、時にせつなく、時に心強く、語って行きたいと思います。よろしく須田くん!」

「よろしくお願いしますー!僕自身すごい楽しみにしてました。もともとは僕とsoullampってバンドの鉄郎くんが『泥酔ラジオ』ってネットラジオをやっておりまして。」

「そうです。そんでそこで俺がゲストに呼ばれまして、(http://deisuiradio.seesaa.net/)俺ら出会ったわけです。出会った瞬間ビビッときたね!これはまさに「運命(さだめ)の人や」と。」

「そのまま籍とか入れそうな勢いでね。いやほんと、そこで映画の話でえらい盛り上がって。40分くらいの収録のつもりが2時間超えたりして(笑)映画好きのバンドマンって最近あんまいないじゃないですか」

「そうやね。みんな合コンとかナンパとかバンド練習とかで忙しいからあんまし映画観ないからね。この前知り合いのバンドマンにここ一年でみた映画の本数尋ねたんよ。そしたらなんと二本で、しかも、正確にはドラえもんを二回観て二本ってカウントしてた(笑)」

「それはそれでハードコアですね…。まあそんなわけで、このコーナーでは毎回何かしらのテーマを設けたりしつつ映画を語っていこうではないかと…ってカリスマさん、キョウリュウジャーの銃(※これ)で遊ぶのやめてください!」

「あ、すいません、我が家(※当対談の収録は六月中旬にカリスマの京橋宅で行われた)で収録してたら、ついつい遊んじゃうよね(笑)そうまあ、そんな感じで語って行きたいと思いますよ。今回は記念すべき第一回なんで、段取りとか決めずにガンガンいきましょ。いきなりやけど須田くんは最近何観た?」

「こないだ『グランド・マスター』 見てきました!」

「お〜。それ、俺も観たよ。ウォン・カーウァイ監督の最新作にして初のカンフーアクションに挑戦したという意欲作やね。」

「…という触れ込みなんですが、どうでした?」

「うん。まあ、今までアクションに無縁やった監督の意欲作ではあるけど宣伝のキャッチコピーの様な少年誌的展開は全く無い。ほんま今回はGAGAのプロモーションに超絶問題があるといっても過言では無いよ。GAGA広報担当はこの作品観てないんちゃうか(笑)」

「ですよねー!あの予告からしたら大半の人は「思てたんと違ぁぁう!(笑い飯ふう)」ってなりますよね」

「そう!別に作品としては中の下ぐらいの出来やったと思うのね。もちろん、アクション・シーンの撮り方が全然ダメなんだけど、それ置いといたとして、何がこの作品の評価をここまで落としてるのかって話をすればそこに行き着く。まさに「思てたんと違ぁぁう!」状態。期待との落差が大きすぎる。」

「でもまあ、要はいつものウォン・カーウァイ映画なんすよね。この人ってもともとシャレオツな恋愛映画ばっか撮ってて評価されてた人じゃないですか。ART-SCHOOLの木下理樹さんとかもファンだって言ってた記憶があります。『欲望の翼』なんて曲もあるし(※同監督の初期の作品と同じタイトル)。」

『恋する惑星』 とかシャレオツ恋愛映画の金字塔やもんね。前監督作の『マイ・ブルーベリー・ナイツ』もまあいらんシーン多くてグダグダしてるけど割りと好きな作品。そんな恋愛映画一筋の監督が持ち味を捨てて挑んだ作品が今作。今回のは恋愛の要素はあるといえばあるけど、正直、おまけ程度。じゃあ、恋愛削って出来が悪くなったから、脚本が悪いのかって話になるよね。でも、俺、脚本は悪くないと思うねん。」

「えっ、そうすか?(笑)」

「うん。各々のシークエンスで観れば、画もテンポもグダグダながらマズマズの出来やのよ。と、いうより、良くも悪くもいつもどおり。じゃあ見終わった時、なんであんなに耐え難いほどに激烈にグダグダに感じたのか?ひとえに編集が甘かったんでは無いか、と。」

「甘いと言うか、すんごい変なバランスだと思うんすよ。いかにもウォン・カーウァイ的な、コマ落としを多用したドラマ部分と、カンフーシーンのバキバキした映像の質感が違いすぎて、同じ映画と思えない(笑)

「そう、それはね。ウォン監督がアクション映画素人ってとこが諸に出てしまってるのね。つまりは時間の関係でドラマの部分をおそらく大幅に削ってるのよ、全体のバランスを崩壊させるぐらいに。それに比べてカンフーシーンは全然削れんかったんやろうね。その削れなかったアクション・シーンも夜で雨降ってるから何してるんかまるでわからん状況でスロー多発。変なとこでヨリになって揺れまくるカメラ。そして、存在意義の不明なのに無駄にかっこ良く味付けされてる例のモブキャラ。挙げたらキリがない程大規模の無駄なシーンの乱舞(笑)」

「やたら水しぶきとかがスローでばっしゃ?ってなったり(笑)カンフーアクションって本来は動きの美しさがミソなので、もうちょい引いた視点であんまカット割らずに見せてほしいですよね。ってか記念すべき連載第一回目なのにぜんぜん褒めてない!大丈夫かこれ!」

「いや、愛深きゆえの厳しさやで(笑)まあ、GAGAの広報さんは内容的に売り出し方に苦労したんだろうけど、これはあまりにも的はずれで不誠実。トレイラーとかで興味持って、この作品観た人は次回のウォン・カーウァイ作品は恐らく観ないと思うから、ね。でもこれから観る人も当然いると思うので、須田くんなんか一言フォローお願いします(笑)」

「なんといっても一番の見所はチャン・ツィイーですよ!相変わらずお美しい!チャン・ツィイーを大画面で観れるだけで価値はあります。あと何だかんだ言ってトニー・レオンも良かったと思いますよ。僕が見に行った回では隣のおばちゃん二人がトニーのファンっぽくて、『ラスト、コーション』の話をしてたんですけど、話しながらだんだん興奮してるんですよね。たぶんトニーのきんたまを思い出してたんでしょう。」

「いやいやいや、それってキャスティングは褒めてるけど、この作品自体を褒めてる訳では無いよね(笑)まあ、きんたま言うてしまいましたが、この作品は「中国拳法が如何にして現代に伝わり香港カンフー映画に伝播派生していったか?」という一種の伝記映画として観れば良いと思います。純粋なカンフー映画として観に行くと「思てたんと違ぁぁう!」ってなるので注意ですね。」

「トニーさんが演じたイップ・マンは実在の人物で、ブルース・リーの師匠なんですよね。その辺の歴史も踏まえて見ると興味深いかと。というわけで、次回はもうちょいスカッと褒めれる作品を選びたいですね(笑)

「そうね、次は初っ端からガンガン褒めまくりたい、否、ガンガン褒めますよ(笑)では、今回はこの辺でおひらきとしますか。全宇宙の大きなちびっこのみんなここまで読んでくれてありがとう!」

「それでは、また来月!EIGA・BU ブレイブ イン!!」


プロフィール 如何の通り

カリスマ:
本名不肖、牙の勇者の異名を持つキョウリュウレッド。
地球と大阪市北区の平和を守る傍らハンバーグオムレツというジャンクフードパンクバンドのボーカルとしても活動している。
EIGA・BUの「観る」担当。
HP:http://omelette.sekaibi.com/

須田亮太:
顔出しNGというわけではございません。
ナードマグネットというバンドのギター&ボーカル。パワーポップという不遇のジャンルを今一度普及させるべく、大阪を中心に活動中。アイドルも好き。
EIGA・BUの「見る」担当。
HP:http://nerd-magnet.com/

ナードマグネットのインタビューはこちら