[コラム] 受付嬢マホの「夜の飛ばせ方Reloaded」最終回(2018/03)
三月です。
一月でも二月でもない、アレです。
年が明けてからもう二か月も経つだなんて。
よく言ってはおりますが、皆様ボーっとしているうちに60歳くらいにはなりますからね。
気合い入れて生きた方がいいですよ。
そんな中、ご報告です。
この度、かねてよりお付き合いしておりました野津知宏さんとの入籍を機に
天王寺Fireloopを退職させていただくこととなりました。
ご報告が遅くなり申し訳ありません。
今後ともご指導のほどよろしくお願い致します。
、、、、、
私はね。
こんな嘘ばかりついているから友達が減ったり、嫌われていくのは痛いほどわかっているんですよ。本当に。
でもね。
人がうんざりする顔を見たくなる癖を直す事はお天道様にもできやしないんですよ。
付き合ってなどおりません。
14年以上のお付き合いではありますが、野津さんについて
「カレーが好きな事、ストツーが好きな事、実家がなんか学研都市線沿いにある事」くらいしか知りません。
ふと思ったのですが、機種変した時に連絡先ふっとんだので携帯番号すら定かではありません。
本人に「こんな冗談言いますよ」と報告も確認もしていないので叱られるかもしれませんが、もう構いません。
上司でも部下でもなくなるからです。(最低)
しかしながら私が退職しますのは事実でございます。
2018.年3月末をもちまして退職させていただく事になりました。
本当は一人のパートタイマーが退職するくらいの話なのだから、わざわざご報告するまでもないのでは・・・と思いもしたのですが
退職に伴いコラムの連載も終了となりますのでせめてこんな「That’s 時間の無駄」にしかならない駄文を読み続けてくだすっている方々にはご報告しないと罰が当たると思いまして。
罰が当たる、ってすごく日本的な発想らしいですよ。「悪い事したら誰かが見てる。誰からの何かは不明だし根拠もないがどこかから舞い降りた罰が当たる。」こんな漠然としたもので最低限の倫理感が保たれてる平和ボケの国、ジャポーネ。嫌いじゃない。
最後までこのわけのわからない話の脱線具合は直りませんでした。愚かです。
話は戻り退職理由ですが、皆さんのご期待に沿えず申し訳ないのですが
結婚ではございません。
俗にいう「寿かない退社」です。言いませんかそうですかうちの実家あたりではそう言うんですけどね。
ですので勿論「できちゃってない退社」ですし、だからといって「なんちゃって退社」でもありません。
時期も悪いのですが野津さんを追っかけて辞めるわけでも、足立さんをついに殴ってしまったわけでもありません。
安井が嫌いだから、でもないですよ?!
ほんとに違いますよ?!!!
安井が嫌いだからではないです!ほんとに!違いますって!!!!!
そんな疑いに満ちた顔しないでくださいよぉ!!!!!
いえ、本当にただただこれに尽きます。
体力の限界!千代の富士!
うん、若い人には分かんないよね。
昔千代の富士っていう大横綱がいてね、その人が当時の貴花田?現在の貴乃花親方)という
わっかい力士に負けた後、このセリフとともに角界を去ったんだよ。
残念ながら私が勤めた14年半の間に私を倒す若い力士は現れなかったわけだけれど
そんな事せずとも私が勝手に老いて体力の限界に達しただけです。
私がこの店でお世話になりだしたのは20歳の秋頃。
まだ専門学生でした。
あっという間に終わった面接で変なあだ名をつけられるのを逃れたまでは良かったのですが、当時のFireloopは平日1、2日と土日くらいしかライブがなく
しかもハードロックやメタル、ハードコアなどのバンドが多く出演されていました。
20歳のマホは超絶J-POP街道を必死にまっすぐ歩んでいたので、「なぜにこんなに大きな音を出すのだ・・・」と頭を抱えておりました。
「嗚呼、なんでミスチルみたいなバンドいないの…つらい…これならハンバーガー売り続けてるほうが…」
と弱気になっていた時、神戸のライブハウスで働いていた友人が
「うちにも出演してて大好きなバンドがマホんとこのライブハウスにも出るみたいよ!きっとマホも好きだよ!」
と教えてくれたのです。
そのバンドは素敵なロックバンドで、軽やかなメロディと汗まみれのステージで荒みかけていた私を癒してくれた。
終演後、新人の私は勇気を振り絞ってボーカルの方に「すごくかっこよかったです!」と伝えるとその方は大層酔っぱらっており
「おうおう!新入りやな!」となぜか担ぎ上げてぐるぐる回され
「音楽好きやったら店、辞めんと続けや!」とおっしゃいました。
こんな素敵なバンドが、そしてこれから出会う素敵なバンドが集まるライブハウスって凄い!!!
もう少し頑張って働いてみよう。好きじゃないと決めつけてジャンル分けてしてつまらないと思うのは失礼だ!
と少女マホは思い直したのです。
それから数年後には拳を掲げて「メタルー!」と叫んだり、ハウスミュージックを白目剥いて聞くようになるとまでは思っていませんでしたが。
その方はそれから1年ほどでFireloopとは疎遠になってしまったようだったのですが
いつか「その時の気持ちが忘れられずにライブハウスで働いています!」とお伝えできればいいな…と心に秘めて10年以上の月日が流れました。
その時のボーカリストが現在も幅広く活動されている奇妙礼太郎さん、っていう素敵エピソード、鳥肌立ちませんか?
とても綺麗なエピソードなので、きっと多少思い出というデコレーションで脚色されていること必至ですが大切に抱きしめて生きてきました。
礼太郎さんの言葉がなければ辞めていた、とまでは言いませんが
この時礼太郎さんのバンドと出会っていなければこんなに長く勤めてはいなかったのではないかと思います。
今でも酔っぱらった帰り道に口ずさむのは「♪金曜日の夜はぁ〜」だったりします。
ありがとうございました。
そんな素敵メモリーとともに過ごした私の14年半は本当に充実したものでした。
通算すると家族とより一緒にいる時間長いだろうな、と思う人もいます。
妹のように大切な人も、この人が認めてくれるなら他になんと思われていてもいいや!と思えるくらい信頼できる友人も沢山できました。
ありきたりではありますがここにいなければ出会わなかった人たちとの出会いは
なんの特技も取柄もない、学校でもずっと落ちこぼれだった私にとってすべてでした。
夢に、音楽に向かって輝いている人達を見つめ続けるのが辛いくらいの自己嫌悪に陥った事もありましたが
そんな私を肯定してくれたのもやはり皆さんであり音楽でした。
タバコの煙といつもの顔ぶれ
大好きなお酒と大音量の音楽
14年半、当たり前にあったものがなくなる不安も沢山ありますが
「辞めろ」と言われたわけでもないのに自分で辞めといて
泣くのはよしこさん!と思っております。
幸か不幸か寺田町から2つ程向こうの駅に住んでおりますし
当分はのんびりした毎日を送る予定ですので
個人的な送別会、大歓迎です!
まさか職1つ失った34歳に会費なんて出させないよ?という太っ腹なあなた、あなた、そしてあなたからのお誘いも随時お待ちしております。
機嫌がよければ伺います。
お寿司があれば自転車で取りにきます。
また、「単発で、外面だけが取り柄の威勢のいい、下手に若いよりおばさんの方が都合のよいお手伝い」のオファーも随時募集しております。
知らない人と話すのも得意なのでサクラや結婚式するのに友達少なすぎるな…なんて時にもってこいですよ。
受付での軟禁も解放されるのでホットサンド挟みに行ったりもできます。
同人誌の即売会とかにも得意のおたべ人形スマイルで座れます。
是非ご検討ください。
なんだか仕事乞食みたいな終わり方になってしまいましたが、何が言いたいかと申しますと
「名残り惜しんだところで、どうせまたすぐに会うから無駄ですよ」
って事です。
反対側のビアガーデンにいても
おんなじ銘柄のビールで乾杯すればいいんですって。
大好きなあの人も言ってました。
大変大変ご迷惑をおかけしました。
馬鹿みたいにたくさん笑いました。
とってもとっても大切でした。
これからも、もちろんです。
最後にこれだけは言わせてください。
Fireloopの事は嫌いになっても
マホの事は嫌いにならないでください。
ありがとうございました☺
天王寺Fireloop 受付嬢・マホ