[コラム] 受付嬢マホの「夜の飛ばせ方Reloaded」(2016/01)

[コラム] 受付嬢マホの「夜の飛ばせ方Reloaded」(2016/01)


皆さんは小学生の頃の遊びといえば何を思い浮かべますか?
ジェネレーションギャップは否めないでしょう。
駒回しやめんこ世代もいればDS、なんてツワモノが出てきてもおかしくないでしょう。
私が小学生の頃は兄がコロコロコミックを愛読していた影響で、母と一緒にドッヂボールの大会を見に行ったり(テッカテカに黄色くて硬いボールを使用。兄に何度も顔面に当てられ泣き喚いていた)
兄が友達とミニ四駆をコースで走らせるのを見たり(グリス舐めて叱られたり、1台買ってもらったのに肉抜きしすぎて電池が落ちたりしていた)
りぼんの全プレ欲しさに家の切手(父が仕事で使用する為、結構なストックがあった)をかき集めたり、何せ全て漫画を軸に生きていたようにすら思う。

その中でも郡を抜いて勢力を注いでいたのがここでもよく登場する高橋留美子大先生の「らんま1/2」である。
お年玉をもらってはアニメイトに走り、ろくに勉強もしないのに数十枚の下敷きを所有。
カードダスは300枚程持っており、御歳32歳ですが今でもグッズを大人買いしたりUFOキャッチャーでぬいぐるみを取るのに8万円使う夢を見たりする始末。
手に負えません。

そんな私が先日、消し去ろうとしていた黒歴史を思い出してしまった。小学校低学年当時の私がハマっていた遊び。

それは「漫画のアテレコ」だった。

その遊びは至ってシンプルで、友人たち数人とラジカセを囲み各々が決められたキャラのセリフを読むというインド人もびっくりの生産性のない行為。
私が母ならラジカセを叩き割って、そんな時間があったら習字でも習わせて写経させたはずだろう。
勿論小学生の頃からガキ大将気質だった私は友人を捕まえてはこの遊びに徹していた。
民謡教室に通っていたばあさんから使い古したカセットテープを貰い、その上から録音していた。
ああでもないこうでもない、と何度も録音し直し1巻に至っては中盤位まで一人でセリフを丸暗記している程の熱の入れようだった。

勘のいい方はお気づきだろうが、なぜこの黒歴史を思い出してしまったかというと
実家の大掃除をしたら、このブツを発掘してしまったからだ。

きったない文字で「らんま1話【らんまが来た】」と書かれたそれを、震える手で再生する。
セリフとセリフの間に、低学年特有の本読み調の2拍ずつのブレイクが入るそれは中年女性となった私を即死させるには十分な破壊力だった。
亡骸となった私をよそにテープは再生を続ける。
唯一の救いはテープの劣化と声の幼さが故、自分がどの役か分からなくなっている所だ。

たいした抑揚もないままストーリーは進み、抜け殻の私が我に返ったのは1話の録音が終了した後、カセットテープへの録音故の現象
「上書き前の曲が流れる」に則りばあさんによって歌い上げられた「炭鉱節」が流れてからだった。

ツキガ デタデタ ツキガデタ・・・ ヨイヨイ