[コラム] 受付嬢マホの「夜の飛ばせ方Reloaded」(2016/03)

[コラム] 受付嬢マホの「夜の飛ばせ方Reloaded」(2016/03)


私にだって若い頃はあった。
確かに存在した。

元々、年の近い先輩には決して好かれるタイプではなかったし
特に目上の女性からは生意気だと睨まれ、年下からは怖がられる。
ここまで書いてよく考えたら、男性からも同じニュアンスの態度を取られているので
総合すると「男女問わず全年代から嫌われている」という結論になるのだが、
私には私の事を世界で一番愛してくれている実母という人が存在するので特段悲しくもない。

話を戻そう。
そんな嫌われ三十路な私が唯一普通にコミュニケーションの取れるのが「酔ってる中高年男性」である。
知らない中高年男性が、やれ「俺はどこぞの社長で」、やら「そこの飲み屋なら常連や」などと言うドヤ話をしたりして
私に息巻いてきてもロングコートチワワがじゃれて甘噛みしてきたのう!級の愛しい顔で聞き流す事が出来る。
このチワワは時折酒の1杯でも奢ってくれる可能性も秘めているので尚、いい。
昔から大人の輪に入ってワイワイするのは好きだったし、
所帯を持ってなかなか自由の利かない従兄弟達と違って自由をはき違えている私は
叔父や叔母しか参加しない家族旅行にも一人勇敢に参加して楽しんで帰ってくる。
そんな事もあって耳年増といいますか中年言葉にも慣れており、好きな音楽ですら歌謡曲ばかりなので「泣かないで〜♪」と叔父が舘ひろしを口ずさんでも
「よっ!都島のタカ!」などと野次を飛ばせてしまうのである。

しかし、最近ふと思うことがある。ただでさえライブハウス内ではお局オバサンな私なのに脳内はさらに中高年。
果たして、若者に私の言語は伝わっているのだろうか?

私は「古文女子」のようなものなのである。
ずっと好んで古文を勉強し、日常に取り入れてきたので気付かないが皆は私が大好きな書物から引用した話も
「あ!それ、なんか古典の授業で習った!意味わかんないけど!笑」位にさらっと流され、受け止めては貰えないのだ。

時折この妄想に囚われてしまい、干支が同じ位年の離れた子と話すと発作のように
「ていうか私の言ってること分かる?!変な事言ってない?竹取の翁というものありけり的な!ありおりはべり的な?!!!」
と問いただしてしまうのだ。
無論、問いただされた若者には小波のように引かれ、食べ合わせと打ち所が悪ければ最悪、死に至る。(私が)

あ〜あ。朝起きたら金銭的にスティーブジョブズになってないかなぁ。