[コラム] 受付嬢マホの「夜の飛ばせ方Reloaded」(2014/08)

[コラム] 受付嬢マホの「夜の飛ばせ方Reloaded」(2014/08)


軟派か硬派か。私は勿論ナニでも硬い方が好きなのですが、随分と前から「ナンパされたい」と嘆いていた。

人生で軟派をされた回数など片手で数えられる位。

ナンパプリーズナンパプリーズ!を連呼していた私は先日、とうとうナチュラルなナンパ師(サラリーマン風20代後半スーツメン)に駅のホームで声を掛けられた。

「次の電車は○○駅に止まりますか?」から始まり、「今から待ち合わせですか?」「Facebookやってるんですか?」と続き、全て苦笑いでかわしていると「いい匂いしますね...」と気色の悪い発言に進み、彼は破滅の呪文を口にしたのです。

「大学生ですか?」私は少々食い気味に「31歳です」と言い残し明後日の方向に向かって歩き出しました。大学生な事あるか。年輪見ろ。彼をザラキ3回の刑に処した後、「もうナンパなんてされたいなんて言わないよ絶対」と誓ったのです。大好きな鈴木亮平さんや三上博史さんのような人にナンパされる事前提でナンパ難民になってた頃の私にSAYONARA。

思い起こせば31年、ろくなナンパになど出会っていなかったではないか。

クラブで飲み過ぎてスピーカーと壁の間で寝てしまい、鈍痛で目が覚めたらG.I.JOEに出てきそうな黒人男性が私の上腕に噛み付いておりびっくりして振り払った所、虚ろな瞳で破滅の呪文。「イマカラ、ホテル、イイデスカ?」良い訳あるか。ダッシュで逃げ切り、表に出ると友人が叫び声を上げる程に上腕から肘の辺りまで浅黒く内出血をおこしていた。まさにG.I.JOEの世界である。

こんな事もあった。友人と隠れ家的な串焼き屋を見つけて入った所、カウンター席に居た紳士なおじ様が「ここはハラミを食べないと!奢ってあげるから食べなさい!」などとてもよくしてくださった。話を伺うと還暦過ぎたばかりだそうで娘と孫が可愛くて仕方ないらしく、目尻を下げて写真をみせてくれた。

特に約束もせずにそのお店に行けばいつもいらっしゃる方なので、会えばご機嫌に娘さんや孫の話していた。そんな心地の良い関係が続いていた最中、破滅の呪文。「僕の最期の女性になってくれませんか?」...あ、愛人か。へ〜...。私はそっと席を立ちました。さよならの代わりに。

そして最近のおもしろエピソードといえば(趣旨がズレてきている)友人と昼過ぎから飲んでいた所、その店の店長がお世話になってるという常連のおじ様が一人で飲んでおり、仲間になりたそうにこっちを見ていた。友人と私は酒も入ってご機嫌だったので一緒に飲む事にした。おじ様は嬉しそうに馬車に乗り込んだが、徐々に本性を露わにしだし私の尻と腰の間を擦りながら破滅の呪文。「足の指、舐めていい?」いくらくれるねん。やんわり断りして、そろそろお暇頂こうと思っていたらおじ様はお箸を落とし、拾う振りをしてそっと私の足の指を舐められました。おじ様が支払ってくれた私達の飲み代、3,500円。私の足の指の相場です。お見知り置きを。