[コラム] 受付嬢マホの「夜の飛ばせ方Reloaded」(2017/05)


人それぞれ苦手なものがあると思う。

辛い食べ物、怖い映画、高い所、大きな建物、寒い所など本当に十人十色だろう。

私が苦手なのは「人の笑顔」だ。
決して人の幸せを妬んでいるだとか、人の不幸を望んでいるだとかまで私の闇は深くないのでご安心いただきたい。

よく叱られたり諭されたりするのだが、私は全てに「理由」を求めたがる。
「好きだ」と言われても具体的に自分が納得出来る理由がないと全く腑に落ちないし、
何か貰っても「何で私にくれるの?え、何か返した方がいいの?試されてるの??」と疑心暗鬼になり
素直に喜んだり御礼を言える人に憧れるが、随分拗らせている為なかなか一筋縄にはいかない。

結局は嫉みと代わらないのかもしれないけれど、幸せの母数は決まっていて
誰か1人が幸せになるとどんどん私の分の幸せがなくなっているのではないかと不安になる。
幸せそうな人を見ても、綺麗な人を見ても、夢を持っている人を見ても、とにかく自分が惨めになり消えてしまいたくなる。
急に自分が無価値な物になってしまった気になって、私が埴輪のような顔をしている時はまあ大体そんな事を考えている時だ。

なんとかして自分に価値を持たせようと努力する事といえば、自分磨きだ!とダイエットする事でも
料理上手を目指してレシピと格闘する事でもない。

ただただ「たくさんの物を食らう」。ただそれだけだ。

もっともっと食べて食べまくって本物の「食べログ」ならぬ「まほログ」に私はなりたい。
しかもただただ色んな物を食べてたくさんの店を知っているのではなく、かなり重視しているのが「コスパ」だ。
私のような薄給の三十路がたくさん食す為には非常に重要な事だ。
だから同世代の友人たちや社会人たちの言う「美味しいよ!」などに私は耳を貸しなどしない。
刑事のように自分の足で以って食べログを調べて行くのだ。食べログは良く出来ている。食べログ最高。愛してる。
周りにはどうせ私より蓄えの少ない者ばかりなのだから、高い店なんて知る必要がない。そういう人はミシュラン見てればよい。
おじいちゃんからしっかり出汁をとって、おばあちゃんからさらに追い鰹的に出汁をとったようなお店が知りたい時はそっとまほログを開いてくれればいい。
そういうまほに、私は、なりたい。