[コラム] 受付嬢マホの「夜の飛ばせ方Reloaded(仮)」(2014/06)
この世に生を受けてはや31年なのだが、まだまだ知らない事ばかりである。
うまくいけばこの倍、下手したら3倍生きるやもしれない人生の中で、大切なモノの一つに「好奇心」は欠かせないと思う。
私はコレに大層助けられてここまでやってきたし、これが少しでも足りなければ何か別の人格に成っていたとさえ思う。
そんな好奇心の塊のような私が、25を過ぎた事から異常に興味を抱いているのが「童貞」という存在だ。
ここで、童貞とはどういう意味なのか?についてしっかり共通の認識をしておきたい。
wikiでは
童貞(どうてい)とは、一般的には性行為を経験していない男性を指す言葉。「性行為を経験していない」という基準は「挿入と射精がセットとなり、はじめて童貞喪失となる」「自慰行為を以って童貞喪失とみなす」など複数の定義が存在する。
となっているが、勿論私が指しているのは前者である。
私はこれを自分の中の不幸だと頭を抱えているのだが、童貞様とタイマンをはらせて頂いた経験がない未熟者だ。非国民だ。欠陥品だ。
童貞様がどのようなアンダーウェアを身に纏い、どのように気品ある立ち振舞で行為に至られるのかを知らずに生きてきた。世が世ならそれを知らない私など社会的に抹殺されていた事だろう。
か細いタバコをプカプカと噴かせて経験者女は皆、同様に語る。
「童貞なんて面倒臭いだけだ」、と。
嗚呼、なんと羨ましい響き。そんな面倒臭さなら味わってみたいと願う溢れる母性本能。
お会いした事のある方はご存知かと思うのだが、小さな嘘をつくのが大好きで若い頃は「34歳でシングルマザーです」としゃあしゃあと嘘をついたりしていた。
今はやけにリアルでもう言えないけれど。あ、ちょっと泣けてきたから待ってね。
そんな私は童貞様と一戦交える機会があれば、必ず3つは嘘を置いてゆこうと決めている。クスっと笑えるような。
「ベッドの下に盛り塩はちゃんと置いた?」とか「え!グレーの下着はあかんで!ゲイと間違えられで!」とか。考えるだけでワクワクする。
そんな時、きっと童貞様は「え?そうなの?!」とうろたえてくださる事でしょう。それをニヤニヤしながら慈しみたいのである。
逆にプライドが高いのでドヤ顔をされるのが大嫌い。菊一文字ギターボーカルのヒロ君が飄々とした態度で
「下ネタ言う女の人ってマグロな人多いですよね?」
とモノ申してきたのだが、
必死に「マグロって止まらないんだよ?止まると死ぬんだよ?!分かって言ってる?!!」とマグロ肯定アピールをするのも大人気ないので「ふえ〜」と相槌をうちながら、キチンした男前のヒロ君の股間ばかりを只々眺めていた。
アパレルSHOP経営者のようなヒロくんが童貞なら3万位出すのになぁ。
そんな日々を、描きながら。