バックドロップシンデレラ

バックドロップシンデレラ インタビュー

201.10.09に最新作「スゴい!君!」をリリースしたバックドロップシンデレラ。最新作が最高傑作を地で行く彼ら。もちろん今作もそのとおり!進化する「ウンザウンザ」について、豊島”ペリー来航”渉にインタビューをお願いした!

「踊りながら泣けるなぁ。この曲、いいなぁって」


野津:では始めさせていただきます!

豊島: よろしくお願いします。

野津:10月9日、フラゲ日は天パ(10.8)の日にリリースされた5枚目のアルバム「スゴい!君!」ですが、僕的にはバックドロップシンデレラの最新作かつ最高傑作だと思いました。評判はいかがですか?

豊島: とても反応は良い感じです。こう来たか!みたいな意見もちらほら頂きました。

野津:なるほど。僕にとっては、とても泣けるアルバムでした。M9「BABY 魔物と砂漠の奥へ」とM11「きらく」がもう素晴らしくて。

豊島: あ、そっちですか(笑)。そのへん突っ込んでくれるのは少数意見ですが、嬉しいです。

野津:え、少数意見ですか(笑)。メロディと歌詞が素敵で。そこらへんのバラード歌いに聞かせてやりたいと思うぐらいなんですが。M11なんかは、こう淡々としている感じですが沁みます。M1「夕暮れにウンザウンザを踊る」から始まって、M11で終わるのはズルい!

豊島: うちのバンド、ほとんどバラードのイメージ無いはずなんですけどね(笑)。でも昔っからバラードは必ず作品に入れてます。曲順はめっちゃ考えましたから!

野津:確かにバラードのイメージはあまりないですね。

野津:「腐りきって死にたかねえよ どのくらい嘘を重ねて 君と巡り会えるだろう」、「脳みそよりも でかくなった ハート」とか、 ここらへんのフレーズが不意打ち過ぎて。ギャーって(笑)。 というのも、やっぱ他の曲の歌詞とは違う側面が出ているから、よりインパクトもありますし、曲順は僕も聞いててとても良いと思いました。

豊島: 「夕暮れにウンザウンザを踊る」「BABY 魔物と砂漠の奥へ」「きらく」は1st Album(「ピッチョンインポッシブル」)収録の「おじぞうさん」から脈々と続くセンチメンタルバックドロップシンデレラです。 やはり好きなので、ついつい作ってしまい、つい入れてしまうタイプの曲です。

野津:そのセンチメンタルバックドロップシンデレラですが、ここのところのバンドのサウンドの核でもある「ウンザウンザ」との相性が抜群なのではないかと思いました。ウンザウンザは後ほど少し説明していただこうかとは思いますが、民族風なサウンドが持つ哀愁が、基本的にはアッパーな踊れるロックになっているのと対照的で。

豊島: あ〜そうなんだ!(笑) 気づかなかった!でも「夕暮れにウンザウンザを踊る」ができた時、自分的に手応えはありました。踊りながら泣けるなぁ。この曲、いいなぁって。

野津:踊りながら泣けるって感覚はなかなか味わえないです。で、ここらで改めて基本的な事をお聞きしますが、「ウンザウンザ」とは、というのを簡単に教えて頂けますか?

豊島: ボスニアのバンドで「UNZA UNZA TIME」という曲を歌っているバンドがありまして、それに感銘を受け、こーゆーの作ろうぜ!って作った曲を、つい「少年はウンザウンザを踊る」というタイトルにしてしまい、そこから面白くなっちゃって、続々と続いています。ボスニアにウンザウンザというジャンルがある訳ではないので、正解はないです。僕らが勝手に、これウンザっぽい!と思えばウンザで、ウンザっぽくない!と思えばウンザではない。みんなが聴いて、これウンザ!と思えばそれがウンザウンザです。ウンザを考えるな!ウンザを感じろ!的な(笑)。

野津:ほぼ、概念という存在ですね。まあ「ロック」とかもそんなノリですけども。しかし、今回のアルバムはアッパーチューンもこれまで以上にキラーチューンがずらりと揃ってますね。

豊島: キラーチューンずらり...良い響きですね!ありがとうございます。

「曲作りは一番楽しいので、苦ではないです。」


野津:「池袋のマニア化を防がNIGHT」で歌われていることってのは、今の池袋そのままって感じですか?

豊島: ヤバいですよ、池袋はマニア化が止まらないです。3年前、池袋Admでハヌマーン、アルカラ、バックドロップシンデレラで「池袋のマニア化を防がNIGHT」やったじゃないですか。とか色々やってましたが、イベントではマニア化が止まらないので曲にしてみました。

野津:ありましたね、そのスリーマン!しかし、曲にするってデカいですね。僕にも年に数回ぐらいしか行けない池袋の深刻さが伝わってくるというか。

豊島: 曲にしても何も変わりませんけどね!変わるわけないですよ「パンクやってもタリラリラーン」です。無常です。そこが僕は笑えるんですよ。

野津:もうひとつPVにもなっているM4「市長復活〜さいたま市ヨリ与野市ヲ解放セヨ〜」ですが、これめちゃくちゃカッコいいです。歌詞にどこまでの重みを見い出せばいいのかは、ちょっと試されてる感じもしますが(苦笑)。

豊島: 「市長復活」は「池袋のマニア化を防がNIGHT」のさらに酷いバージョン。歌詞に重みを出せば出すほど笑えるので、クソ真剣に怒って歌ってみました。

野津:お話を聞いてて、そういう部分って、バックドロップシンデレラらしいところでもあると思うんです。悲壮感とか変な押し付けがなくて、むしろ笑ってる、エンターテイメントにしてるという。そういうのはM10「CD屋からサイコビリーが無くなる日」も同じような感じですよね?

豊島: 「CD屋からサイコビリーが無くなる日」は僕の友人のサイコビリーバンドのメンバーが「disc unionにサイコビリーコーナーが無くなった時に、サイコビリーは終わったと思った」という話を聞いたのがきっかけで作った曲です。CD屋も悪いが、お前らも悪い!似たような曲ばかり買いやがって!だから無くなっちゃうんだ!音楽の選択肢の幅がなくなるんだ!自爆だぞ!と、この曲が一番リアルに怒っているかもしれない。

野津:それはリアルな怒りですね。立場的にすごく共感もできますし...。最初の方にお聞きしたセンチメタルバックドロップシンデレラが具体的な描写というより、内面的なものが見えるのに対して、そういった具体的な事象の表現に乗った心理とか本意みたいなものの対比が、曲順も相まって、それぞれを引き立ててると思います。アルバムだ!って痛感します。

豊島: 音楽で世界を変えられるとは思っていないので、ドンキホーテ的な立場を笑いたい自虐的な部分が僕には確かにあって、その一方で恋人、友人、自分の考えている事、好きな音楽に対しては、真剣に音楽を届けてみたい。という...変な矛盾があるのかもしれないです。ちょっと言葉にしづらいのですが...。だからアルバムじゃないと表現できないんです!あ、まとまった(笑)。

野津:現実も見えてくるけど、音楽に一生懸命に向き合ってるし、それをちゃんと聞いてもらいたいという事ですよね。だからこそアルバムなんですよね。1曲でって無理なんじゃないでしょうか(笑)。あと、やっぱり毎度思いますが、キャリアを重ねているバンドが、速いペースでコンスタントにより進化したアルバムをリリースしていることはスゴいと思います。

豊島: ありがとうございます。そうかもしれないです。しかも曲順もめっちゃ考えないと難しいっていう(笑)。曲作りは一番楽しいので、苦ではないです。楽しくやってます。基本前作より良ければいい。という事しか考えてなく、できた瞬間に、前より良いか悪いかはすぐにわかりますから、悪い!と思った瞬間ボツにすればいいだけなので、そこまでストイックに考えてないです。

野津:うお、素直にスゴいと思いました、今。クリエイターであり、プレイヤーであり、バンド的にはプロデューサーでもあると思うんですが、全部兼ねるのか…!という。そして!バックドロップシンデレラといえば強烈なライブですが、今回のツアーもかなりの本数ですね。発表されている2014.02.02がファイナルですか?

豊島: 2014.02.02渋谷WWWで打首獄門同好会との2マンでファイナルです。2013.12.22に天王寺Fireloopで自主企画「脳みそクルクルナイト」もやりますよーー。

野津:シークレットのバンドさんもやっと発表されて、これは相当強烈なラインナップですね。

豊島: アクの強いバンドが揃いましたね。日本全国で絡ませてもらっているライバルバンドばかりなので、バックドロップの呼びかけでFireloopにもってこれたのも面白い。カオスになりますよ。覚悟してください(笑)。

野津:まさにそのとおりで(笑)。現在ツアー真っ最中だと思いますが、覚悟して待っています。今日はお忙しいところありがとうございました!

豊島: ありがとうございました!

バックドロップシンデレラ

プロフィール: 2006年 北海道、九州佐世保、東京、新潟佐渡ヶ島から4人のメンバーが集まり都内で結成。 独創的な歌詞と世界観、人を喰ったようなアレンジで、ユーモア溢れるキャッチーさと、芸術的叙情感を両立させるメルヘンチックオルタナティブロックバンド。 2008年4月1st Album「ピッチョンインポッシブル」インディーズデビュー、その特異な音楽性が話題を呼び、タワーレコードJ-POPオンラインチャート第2位を記録。 ガレージバンドも真っ青の脳天グルグル系ライブパフォーマンスは極めて評価が高く、奥田民生、SPARKS GOGO等との共演をも実現。フリーペーパー「JUICE」編集部が選ぶ2008年ベストライブに挙げられた。 今作を含め、これまでに5枚のフルアルバムをリリースしている。

Vo.でんでけあゆみ
Gt.豊島”ペリー来航”渉
Ba.アサヒキャナコ
Dr.鬼ヶ島一徳


5th Full Album「スゴい!君!」
01.夕暮れにウンザウンザを踊る
02.池袋のマニア化を防がNIGHT【PV】
03.カンフーライフ
04.市長復活〜さいたま市ヨリ与野市ヲ解放セヨ〜【PV】
05.外道ねぇさん
06.魔界にはがっかりだ
07.うちのギターは天然パーマ
08.マサチューセッツ娘と高校球児
09.BABY 魔物と砂漠の奥へ
10.CD屋からサイコビリーが無くなる日
11.きらく


NAFR-1112/2000yen(tax in)
NaturalAfroRecord

ライブ会場、全国TOWER RECORD / Amazon等で販売中。
ASR RECORD STOREでも取り扱いあり!


「スゴい!ツアー!」
バックドロップシンデレラ presents「脳みそクルクルナイトin大阪」
2013/12/22(日) 天王寺Fireloop
時間[OPEN/START]18:00/18:30
料金[ADV/DOOR]:¥2000yen+1D/¥2500yen+1DTHANKS!SOLD OUT!!!
※当日券の有無はイベント当日午後発表予定

共演:巨乳まんだら王国/Boiler陸亀/打首獄門同好会/空きっ腹に酒

インタビュアー:野津(Fireloop / ASR RECORDS)