[コラム] Fireloop店長野津コラム「monthlyチャリ通」 (2011年12月号)

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というわけで、先月の続き。ヌルい云々はすっ飛ばして、続き。

先月言ったように、我々のようなライブハウスの人間しかり、ミュージシャンといった人種は"度の超えた"音楽好きなのです。ライブハウスに足繁く通ってくださるお客さんにも同じことが言えたりするかも。そういう人達とばかり接しているからマヒしがちだけど、例えばライブハウスに行ったことがないような人たちに比した場合、そう言わざるを得ない。たまにそういうことを痛感することがあります。これもあくまで例ですが、タワーレコードやHMVといった大型レコード店によく行くしCDも買う、という人や、いわゆる書店で売られている音楽雑誌をよく読む、といった人たちは、ここ大阪にもたくさんいると思うけれど、じゃあその人たちが「Fireloop」というライブハウスの存在をどれぐらいの割合で知ってくれているのか、と考えると、これは謙遜や自虐とか抜きで、良くて1割なんじゃないかと思う。むしろ、これでも言い過ぎてるんじゃないかと思う。うちの場合はレーベルもあるので、ひょっとしたらそこを通じて知ってくれた人もいるかもと思いつつも、先に述べたような数字であれば御の字じゃないかと思っている。別の考え方をすると、ちょこちょこライブハウスに遊びに行くという人はFireloopを知ってくれている確率は高いと思う。行ったことはないけど、という人も含めて。これはFireloopに限らず、大阪のライブハウス相互で言えるのじゃないかと。

で、ここがポイント。我々ライブハウスの人間がイベントをする際や、ミュージシャンがが自主企画を行う場合、9割方、それについてのアナウンスやプロモーションは「そもそもライブハウスに来る人」にしか届かない形で行われているのではないかと。もちろん、それはそれで絶対的に必要なことではあるが、そればかりが行われていたところで、なかなか「ライブハウスに来る人」の絶対数を増やす事にはなかなか繋がらないと思う。すごくいやらしい言葉で言うなら、それこそ限りあるパイを大阪中のライブハウスで奪い合っているだけ、になってしまう。

そして、そこに当てはまらない1割というのは、それこそメジャーレコード会社や大手事務所に所属しているミュージシャンだったり、大型レコード店で大きく展開されていたり、ラジオやテレビ(CS)なんかに関われるごく一部、ということ。もちろん、その人たちを批判するような気は1ミリメートルも無い。全く無い。皆無。羨望だったり妬みの気持ちも否定はしないけど、それはその人たちが掴みとった結果だから、それを否定するような心情は絶無。ただ、自分なりにそういう1割になるためには、と考えた場合、少なからずこれまでの日本の音楽業界の歴史が生んだ「ある一定のルール」を感じなくもない。語弊を恐れずに言うなら、絶対的にポップさが必要なのだ。ポップであること、それは大衆性を内包しているということで、そこが問題なのではなくて、ポップであることの定義が固まりすぎているのではないか、と感じるのである。大衆性というのは非常に抽象的な定義であって、大衆性と呼べるものには理由があると思うが、その定義をもっと拡大できるのではないか、と思っている。いや、拡大できないものか、と思っている。まあ、自分が日本の音楽業界史をいかほど理解しているのかと問われたら、なんとも言えないところではあるのも事実。大衆性の定義を変えてしまうほどのエポックメイキングなミュージシャンが、過去に存在したことも知っている。しかし、その陰では「当時の大衆性の定義から逸れていた」事によって陽の目を見ずに失われた優れた音楽が存在していた事も知っている。つまり、優れた音楽=大衆性を内包している、とはならないのであり、大衆性を内包していない優れた音楽を、大衆性を内包しているものに変容させるだけではなくて、大衆性自体の解釈を拡大させることが出来れば、優れた音楽が、優れた音楽を生み出すミュージシャンが、より長く活動し、より優れたものを生み出してくれるのではないかと思っている。そのために、優れた音楽・ミュージシャンを先述の1割の人達にどうにかして届ける方法を考えている。我々のような存在は、直接的に大型レコード店や音楽雑誌、ラジオ局を動かす力を所持していない。これは諦めではない。動かすんだ、という気持ちは持っているし、動かしたいという気持ちは常にあるが、そこにばかりアプローチしていても、それはギャンブル性が高い行動でしかないと実感している。もっともっと地道ながら直接的に繋がっていけるアクションが存在するはずだ。で、それは一体なんなのか、と。ウボアー、また今月ももう字数が足りねえよー。


Fireloop店長:野津

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