[コラム]いおかゆうみの「ちぐはぐな日々。」(2016/12)


「大人になるということ」


ここ最近は益田ミリさんの本ばかり読んでた。

「前進する日もしない日も」というエッセイ集の中で、歯痛で苦しんでいた時、歯医者さんに「本当に辛かったんですね」と言われその場で泣いたという話がとても好き。
「人前だとか、そんなのはどうでもよかった。大人になったんだから、泣きたいときに泣いたっていいや、と思った」って書いてはって、嬉しくなった!それはもう!とても、嬉しかった!

そっか!大人になったら泣いたらあかんと思ってたけど、大人になったからこそ泣いていいんや!自分の判断で泣けるんや!大人って素晴らしいな!
って思えてからは随分と生活が楽になりました。泣きたい時に泣くし笑いたい時に笑う。嫌いな人には無理に近寄らん。そうすると楽になった、すごく。

自分のことを許せるようになって、少し大人に近づいた気がした。

そして最近、お父さんとお母さんが色んなことを話してくれるようになった気がする。
何年も前に起こった出来事を今更聞くことがあるから驚いたりするけど、きっと当時のうちには言えんかったんやな、今のうちやからこそ言えるんやなと思うと嬉しかったりする。

特に何を言ってあげるわけでもないけど、話を聞いてもらえるだけでいいと思ってるはずで、その役目を担わせてくれてありがとうという気持ち。

東京の某ライブバーの店長とお話ししてる時、「ライブっていうのは自分と人との価値観の擦り合わせだよ」って言われた。うんうん、なるほど、そうですね、ってわかったフリしてたけど、今やっとちゃんとわかった気がする。

それはライブだけの話じゃなくて、生きる上での話やった。

大人になるってことは、人も自分も大事にできるようになるってことやと気づいた11月。