[コラム]山田好転(水、走る)の『元軍人でウルグアイ出身の性格が悪い陰陽師兼妖精コラム〜全然、怪しくないです〜』(2016/09)

[コラム]山田好転(水、走る)の『元軍人でウルグアイ出身の性格が悪い陰陽師兼妖精コラム〜全然、怪しくないです〜』(2016/09)


《唄わない旅》

※都合により前回までのあらすじは割愛します。バックナンバー参照。

ファイヤーループ15周年おめでとうございます!!

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・第七章

夜半過ぎ、眠れないなりには二日目の行程を確認していたのだけれど

美浜アメリカンビレッジ
立ち寄り度★★★★

が想像以上にからっぽで、楽しかったら二日目も!とか思っていたけれどプランが崩れた。

三日目、四日目は盤石の布陣で初日にかなりの好スタートを切ったので二日目はかなり重要な位置にある。

どうしたものか、、と考え果てたが普段通りに過ごそう!という結論に至り、元相棒前田が合鍵を貸してくれたので最悪、帰ってきて寝ればいいか。と楽観主義を取り戻してスタート。

先に書いてしまうが沖縄へ発つ一週間前まで僕の滞在期間中は全日程、雷雨の予報だった。

こんなこともう二度とないかもしれないのに、そりゃないぜ天気の神様。と呪いを込めて予報を見ない生活を過ごして飛び立ってきたが晴天に次ぐ晴天。

二日目も太陽は僕を焼き殺そうとする。

しかし!ここには絶対行きたい!と決めていたカレー屋があって新相棒グーリンを走らせる。

それは北谷にある沖縄黒糖スープカレーの『あじとや』である。

これがもう本当に凄かった。

早く着きすぎたので近所のスーパーを徘徊し、時間になったので店へ行く。

沖縄では誰も11:30からカレーは食べないようで僕しかいなかった。大阪にはわんさかいるんだけれど。

窓際の席からオーシャンビューを望みオーダーを取りに来た店員さんに旅人であることがバレて、世間話。

あらー!大阪から!はるばるようこそ!と言われて、昨日の旅でオープンになったマインドが一夜明けたら元に戻っていたので変な微笑を浮かべつつ注文。

軟骨ソーキと迷ったが、島豚ソーセージスープカレーに島らっきょうをトッピングして辛さは30番にした。

ウチのFacebookページに、いいね!してくれたラッシーもサービスしますよ〜と言われ探して出したが、いいね!を押す指が寸前で止まった。

待て、、待つんだ。。心の奥から声がする。押すな、、。押すんじゃない。そのボタンは押すな。悪いことは言わない。押すな、、

不吉な予感に慌てて板切れから指を離す。

店員さんの不審な笑顔に、愛想笑いを返して、大丈夫です!と一言。

危ない危ない。バレてはいけない人に旅がバレるところであった。。

突然、沖縄の個人店をいいね!する奴は少ない。ということは沖縄にいるという推察が出来てしまう。それは余りにも危険で、必要性に欠けることである。

FacebookとTwitterは別である。なぜかは説明しない。

この件に関する記載は以上とする。

注文したスープカレーがテーブルに到着して啜る。

こ、、これは。。

左手にスプーンを右手にフォークを。時にはナイフを持って、フォークは左手に移し替える。

次々と口に運ばれ、歯で噛まれ、舌で味わわれて、わずかな熱を残して嚥下する。それが食道を通って胃に落ちる。それが体内で栄養として行き渡り、その後のことは省略するが。

この食事における多幸感は、次の体験まで生きようとする活力を与える。

これから言うことは過言ではないのだが、札幌の有名店と張り合えるシロモノであった。

個人的に札幌はこれまで唄う旅で行った他のどの土地でも思ったことがない、住みたい。という感情を喚起する場所であった。

その理由の多くは食物にあり、札幌で摂取した全ては普段の生活でたまに得られる贅沢を簡易化したようで、この食文化がある土地なら住みたい。しかし雪は降るな。寒いのも嫌。という程、寵愛する札幌のスープカレーと並び立つのである。

これは非常に恐ろしいことでブラジルで素晴らしいサッカー選手が生まれるのはわかる。サッカー大国である。しかし!沖縄でこんなに美味いスープカレーを食べれるとは思ってなかったので、ブラジルで天才寿司職人に出会った気持ち。それも女性の。

偏見は一切ないですがブラジル人女性が美味い寿司を握れるとは思えない。

じゃあなんで行ったんだって感じですが導かれていたのかもしれない。

それぐらい運命的な美味しさでした。

この元軍人コラムを連載させてくれているファイヤーループの店長野津氏もスープカレー好きなので書く勇気がいるってもんですが、下読み中の有用な情報として提供出来たと思います。

もう店名を忘れてしまった皆さんへ『あじとや』ですよ。沖縄料理はさておいて、行った際は是非。

会計に、島らっきょうのトッピングが入っていなかったので忘れてますよーと告げたら、サービスです!と満面の笑み。

ちょっと待ってくれ。じゃあ弁解させてくれ。と何故いいね!を押せないのか話したら腹を抱えて笑ってくれました。本当に良きマインドで接して頂き感謝。勢い余って札幌のスープカレーの話をすると、店の奥からマスターが出てきてくれて少し話しました。

この店は札幌に移転しても流行ると思います。

カレー食べたらコーヒー飲みたくなる。これは必然。

というわけでビーチサイドのカフェへ。こちらもオーシャンビュー。

コーヒーを飲みながら昨夜、閃いた一つの案を行動に移す前にビーチ探索。

昨日入ったし、入るつもりはなかったけれど目の前にすると、つい!

『アラハビーチ』で一時間ほどまた極楽のような時間を過ごして行動開始。

章の冒頭部、普段通りとは一体、何を示すのか。

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・第八章

極楽の海ではあるけれど、身を焦がす灼熱の陽射しに飽き飽きしてきて、向かった先は『ライカム』である。

ライカム?と、まだ首を傾げてるのは世界であなただけですよ。

ライカムへ向かう道中、大幅に道を間違えて坂に次ぐ坂を登りに登って一時間。あれ?おかしいな、、とナビを見るといつのまにか全く別の方向へロマンチックを加速させてしまっていたようで、ヘトヘトになりながら炎天下、何倍もの時間をかけてようやく見つけたライカムはオアシスでした。ワンダーウォール。

中に入るとすぐに長蛇の列が。

ライカムの中に列の始まりがあって並びに並んで出口付近まで伸びている。

今、ライカムが狭いんじゃないの?って思ったでしょ?

ライカムは僕が見た中でも最大級の面積のイオンモールです。

それが恐ろしい行列で出口まで伸びている。一体なんや、、。マイケルジャクソンの握手会か?と思いながら沿って歩くと

赤福!

赤福餅!

伊勢フェア!

何故、、。

遠回りした疲労と前日の無眠により膝をつきそうになりましたが、まだだ。まだ倒れちゃいけない。と踏みとどまりました。

しかし、何故、赤福餅にあんなにも長蛇の列が。。美味しいけど、、。

というの簡単に手に入る人間だから言えるのかも。

さて、ポロっと正体が出ましたがイオンモールに来ました。

沖縄でイオン?

ノンノン。僕は無類の複合商業施設フェチですよ。旅行中とて見逃すわけありません。

実際、イオンに用事はないんですが人々の暮らしぶりを見たいという変態性による所業です。

そして眠気と疲労度が最大値まで上昇してるので映画館に入って仮眠を取ろうと。ちょうど10分後に始まるのがあったので何の映画かよく見ずにチケットを買って席へ。

どうせ寝るんだし、どこでもいいやと選んだ席で目を閉じ、、

あれ?目を閉じ、、ん?目を、、

おもろいがな!

この映画むーーーっちゃおもろいがな!展開追うがな!予想するがな!演技に引き込まれるがな!伏線に気付こうとするがな!

と思ってたら終幕。

しかも前後編の映画やったさかいに、大阪に帰って後編見よ思いましたねん。

何の映画かは『Filmarks』というアプリで僕を探して見つけてください。

このアプリが凄く良くて、、ってその話はまたいつか。

映画に夢中になっていたので映画館から出て

あぁ、今わし沖縄おるんか。という思いになりライカムをパトロール。

日常的に、この風貌からは想像出来ないほど子供と動物への愛情が深い僕ですが沖縄の子供もご多聞にもれずかわいい。

親の言うこと全然聞けへん。どの子も。これが抜群にかわいい。

そっち行ったらあかんって言われた方にいくし、せんといてって言われたら大いにやる。もうたまらん。

そんなことはさておき、僕は夜の街へ。

ライカムを出てイザコザへ!いざ、コザ!

まずは『チャーリー多幸寿』

僕より1分早く30人の団体が入店した不運を呪いながら待つ事、15分。謎の団体全ての注文が終わりようやく自分の番となる。

旅で再びガバガバに開いたマインドがオロオロしている店員さんに言葉を投げかける。自分でも怖いほど紳士的だった。

和ませてから注文することが可能になるなんて!でもまあ、北海道まで新幹線で行ける時代ですし。お寿司。

あれ?ちょっと待って。カレーかタコスしか食べてなくない?という疑問は疑問のままにしておきましょう。

そのあと、コザの飲み屋をパトロール。

もう本当に大阪での休日と変わらん。映画観て飲みに行って。

何軒目かに入った飲み屋が当たりで、宿主前田を遠方から呼び寄せて運転代行で帰るほど。

とにかく安くて美味かった。札幌は冬が寒くなければ住みたいが、沖縄は夏が熱くなければ住みたい。あとゴキブリも出なくて、坂が少なくなったら。

運転代行のおじちゃんと前田も交えてかなり話したんだけれど、この旅の目的の一つを達成した。

どこかで僕が切り出さないといけなかった話を、おじちゃんが何故か切り出して前田も話していた。良かった。

旅には不思議な力がある。

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◆自己紹介
山田好転(Yamada Koooooten)
大阪の『水、走る』というバンドのフロンマンで、ソロ名義での弾き語り活動もしています。元軍人でウルグアイ出身の性格が悪い陰陽師兼妖精です。全然、怪しくないです。
◆Twitter
koooooten(個人)
mizuhashiru(バンド)


◆HP
mizuhashiru.com