[コラム]山田好転(水、走る)の『元軍人でウルグアイ出身の性格が悪い陰陽師兼妖精コラム〜全然、怪しくないです〜』(2016/04)
《顔面偏差値》
カチカチと歯を鳴らす冬を終わらせたのは
紛れもなく巡り来た春風で
待ち侘びたそれに心を浮かせて行き交う油膜の顔々に
僕はさして特別な鼓動の高まりを感じることはあまりありません。
一体、何を言ってるのかわからない人の為に世俗の言葉で言うと
僕は顔の好みがあまりない。
こんなところでこんなことを言うと中には何故いまさら好感度を高めにかかっているのかと問う人もいるでしょうから、弁明をします。
あまりないというよりも、美人と醜人の違いはわかりますが細かなパーツ別の採点基準が不明なのでどこから美人で、どこからがアレなのかさっぱりわからない。
もはや赤子のように「あの人は美人」「あの人はアレ」という周りの言葉に流されて、享受するばかりです。
しかしながらこれまで歩んできた道は基本的にマイノリティーでその経験上、自分が惹かれるものもまた同様であることが近年、NASAの調査により明らかになりつつある自分史の中で
好意を持った人が美しいという持論は揺るぎなく
それに対して他者の云々は概念の違う基準でありますから
不要!とばっさり切り捨て御免の道で踵を鳴らしているわけです。
じゃっども、美人を見ると美人だなあと思いますしお寿司。
じゃあ何?!何を読まされてるの?!
と早急に結論を要求するタイプの読者の皆様もおられましょうから続けて書きますよ。書きますとも。
でもまあ、そんなに焦っても何も起きないですし起きるものは起きます。琉球のマインドで生きていきましょう。
そんなことより最近、春めいてきてなんだかウキウキしますね!ウキキちゃんねる!
特に意味はありません。春のせいにしてください。
それより僕と踊りませんか?ウフッフー!アーアア、ウフッフー!アーアア、ウフッフー!!
あーあ。
面喰いという言葉は非常に趣があって、その面を喰うわけですから吟味して選別することに長けた人物を指すわけです。
良いですよね。性的対象となる人物のツラを食らうなんて、ほぼ妖怪じゃないですか。
ん?ほぼ?妖怪?ほぼ妖怪なんて状況は存在するのか?
うわあ!これまでの四半世紀は人間として健全に生きて来たが突然、街に出現した妖怪に噛み付かれて徐々に妖怪になってしまう!俺の事はいいから先に行け!早く!早く!!
ちっ。俺もここまでか。あの野郎、ここを生き延びてあの子のことを幸せにしなかったらぶち殺してやる。俺が妖怪に飲み込まれなければの話だがな。くそう!両腕が妖怪化してやがる。。ちくし
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
この状態ですかね。
妖怪は、妖怪とそれ以外では分けきらないほど複雑なのでしょうか。
ここで書きたい事とは別の事に興味が向いてしまいました。
妖怪について本気出して考えてみました。
まず、ある仮説を立てました。
いや、もうやめよう。長くなるし不毛なので。ここに花は咲きません。
妖怪についてはまたの機会に。機会はこないタイプの先延ばしです。
さて!もう誰もこれ以上、読むまいとさせる迷宮を文章の中に構築しましたがその理由がこのあとの文章に隠されているんですね。
途中の無意味かつ猛スピードでの脱線や、倫理観の崩壊、脳から思いつくまま吐き出された言葉など全てここに繋がる伏線でありました。
ここまでもったいぶっておいて、その実なんとない話なんですが冒頭部分に回帰するお話であります。
好きな女性のタイプは?
という人生をかけて悩んでしまうような答えを、先日発見しました。
僕は、本上まなみのあとがきみたいな人です。
誤解を招かぬために少し説明しますと
本上まなみさんは非常にお美しく前述の通り顔の好みがない僕でも美人だと認識させて頂いております。
でも、そうじゃなくてあのあとがきを書ける別次元の美しさ。
いや、美しさというより魅力と言いましょうか。
これに僕はグッときます。
これまでラブロマンスの多くない人生を歩んで参りましたが平生、稀に好みの女性のタイプについて聞かれる事があり、その質問の意図はさておきどのように答えるのが正解かと頭を悩ませておりましたが
中島らも『心が雨漏りする日には』を読了し、その壮絶な内容に脳が痺れて身動きが出来なくなっていた僕にそっと日常の人間活動への指針を示してくれたのが前述のそれでありました。
その文章の純真さや清潔さ非常に好感を持ちまして、それを読みたいがためにそれ以外を読む様な魅力に取り憑かれて
何より、中島らも氏の文章で得られる種とは別の多幸感と万能感で例えるなら砂漠のオアシス!
非常に素晴らしいです。あとがきだけを読んでも仕方ないんですが本編へ誠心誠意の寄稿をされているのが要因です。
誠心誠意尽くす人が好み、というわけではなく筆舌尽くしがたいので中島らも『心が雨漏りする日には』を読了し、そのあとがきに触れて下さい。
それ自体は5年も前に読み終えていましたし、その後もちょくちょくお見かけしましたが
先日、何度目かの再会をし気付かされました。
森見登美彦『太陽の塔』を読了後に、本編の前半の生臭さや、中盤の声に出して笑ってしまうぐらいの面白さ(特に主人公の友達の観覧車にまつわるエピソード)終盤の外と内の世界を対比しての心情描写に鳥肌が立つぐらい物語に入り込んでいましたから、読み終えて放心しつつページをめくると彼女の名前を発見し、その時はなんにも思わなかったのですが本編を凌ぐ程の電流が頭のてっぺんから足の先まで走り、自分の気持ちに気付いたわけです。
これからは質問の答えを持って生きていけるのかと思うと嬉しいような、悲しいような。
辿り着いてしまった事実をこの手に、何度目かの春を過ごそうと思います。
◆自己紹介
山田好転(Yamada Koooooten)
大阪の『水、走る』というバンドのフロンマンで、ソロ名義での弾き語り活動もしています。元軍人でウルグアイ出身の性格が悪い陰陽師兼妖精です。全然、怪しくないです。
◆Twitter
koooooten(個人)
mizuhashiru(バンド)
◆HP
mizuhashiru.com