[コラム] モケーレムベンベ井澤聖一の「豆腐のかど」(2014/09)


厭世的になった時は、筋トレさ!
頭が動かくなった時は、身体を動かすんだ。おっと、もちろん正しいフォームで行わなくちゃいけないぜ。

神様はいつも皆を見てる、平等だ、なんて嘘っぱちさ。もういい加減気づいてるだろ?
どれだけ必死に努力したって、どれだけ方法が正しくったって、
報われないことばかりさ。嫌になるのも無理はないぜ。

だが筋トレの神様だけは、いつも君を見ている。
君が怠ることなく努力を続ける限り、そして、君が必死に努力した分だけ、
必ず、そう、必ず君の肉体は応えてくれるのさ。
おっと、もちろん正しいフォームで行わなくちゃいけないぜ。

って言われてもさ、ジョン、俺にはどうも合ってないみたいだよ、
というような塩梅の心持ちになりますね、秋口ってのはどうも。なりませんか。ごめんよ。

なんせ近頃はいささか厭世的なのである。



思えば、7月のコラムで処理したわき毛はもうすっかりどんすとっぷみーであるし、
もうちょい前に書いたドゥルルルの女子高生は、瞬く間におらんなってしまったし、

うなだれて俺、なんでか妙な健康志向に陥り、「玄米 発芽」でGoogle検索を繰り返す日々。


すっかりしなびたこの暮らし、ザクザクといい具合に刻んでみたらば、
せめて炊いた玄米の供にでもならぬものかね。
なんつって、ふらふらと出歩くこと数十分、

知らず知らずなにかに導かれていたのか、
気づけばそこはスーパーマーケット。
目の前の棚に並ぶは、エバラ食品、キムチ漬けの素であった。




戦友よ、


エバラ食品よ、



あれからぼくたちは何かを信じてこれたかなぁ。


夜空のむこうには、そう、







おつけもの新時代の幕開けである。


(なんのこっちゃわからん人は過去のコラムを読んでくださいね。)


というわけで、今回はキムチの素にいろいろ漬けてみましたのでご紹介。よろしくどうぞ。



まずはシリーズ定番の木綿豆腐。

あらかじめ水分を抜いておいたものをさいの目に切り、漬け込みます。
冷たいチゲ鍋のようなイメージ。
悪くない味ではあるが豆腐がキムチである必要もあまり感じず。60点ぐらいの出来。


続いても定番、かまぼこ。

適当な厚さの銀杏に切って漬け込みます。
これ、なかなか良いものであった。ちょっとたこキムチに近いような感じであろうか。染み具合が甘いので、一晩おけばなお良いと思う。70点ぐらい。


さらに定番、チーズ。

今回はさけるチーズを使用。この選択が当たりであった。
サキイカのような食感と、噛むほど広がる、辛さを上手く中和するチーズの風味。良いバランスである。80点。


続いては、オクラ。
ネバネバ系はいけると思ったのや。
で、さっと湯に通して、てきとうに3つぐらいに切って漬けてみたらば、
案の定、美味であった。辛いネバネバにご飯が止まらぬことであろう。80点。

どうやら今回は軒並み好調のようだ。
この調子で次に参ろう。

拙者が昔から好きなバンド、ハンサム兄弟に「台無しの美学」というアルバムがある。

とうがらしですよ、ええ、見ての通り、とうがらしですよ。ですが、辛くないんです。ほれ、食べてごらんなさい、甘みがあるでしょう。
そして、普通のとうがらしよりも長いですね。これ、甘長とうがらしと言うんです。
で、それを短く刻んで、辛いとうがらしで漬け込みます。

完成、台無し甘長とうがらしキムチ!

お味はまあまあであった。残念。60点。


さて、お遊びはここまでである。

いよいよ眼前に迫ったおつけもの新時代。
その最後の幕。
思えば毎度ここまで来て、最後の最後に開かぬ、重い重い幕であった。
ついに今、その幕を開けるときが来たのである。

今回最後のおつけものはこちら。


味噌本舗やまだという会社に「贅沢三昧」という商品がある。

これ、奈良漬けと金山寺みそを合わせたもので、
言うなれば、奈良漬けの金山寺みそ漬け。
そのお味は、奈良漬けのまろやかさ、深さと、金山寺みそのまろやかさ、深さが一体となり、まさしく贅沢三昧。
飯釜の蓋が、酒瓶の蓋が、一様に置物と化す一品である。

それをさらにキムチ漬けの素で漬け込む。
奈良漬けの、金山寺みそ漬けの、キムチ漬け。
これまさしく究極のおつけものと言えよう。

もはや神々しくさえあるその佇まい。緊張で震える箸が、カタカタと鳴る。

戦友よ、

エバラ食品よ、

俺たちの長い旅路は、遂にここで終わるのか、

いや、それともこれが始まりだというのか。


これより先に道はない。だが、望むところ。

今ここから、ようやく、俺たちの道が始まるのだ。


いざ、試食、


いや、


いざ、俺たちの新時代へ。



意を決して一口含んだその瞬間、
口いっぱいに広がる味噌の香りとキムチの辛味。
噛み締めれば、しっかり漬かってパリパリになった瓜の歯ごたえと、良く染み込んだ酒粕の風味。


それらが混然一体となって奏でられる四重奏。


こ、これは、


う、


う、



う、



うまくないこともない!!







…………










悲しいかな、新時代の幕を開くための我らの最終兵器は、

それぞれの味は美味いが、混ざることで一層美味くなるではなく、

かと言って、まるっきり不味くなるでもなく、

点数にして65点ほどの、なんとも反応に困る出来だったのであって、


何者にもなれず終いの拙者に残されたのは、
胃袋いっぱいの刺激物と、
胸いっぱい虚しさと、
冷蔵庫いっぱいのキムチ臭であったよ、


なんて、

そんな時こそ筋トレさ!!

心が崩れ落ちそうな時は、身体を築き上げるんだ。

神様はいつも皆を見てる、平等だ、なんて嘘っぱちさ。今回のことでさすがに懲りただろ?
どれだけ新しいことにチャレンジしたって、それがどれだけ独創的な発想だったって、
成功するやつは一握りさ。嫌になるのも無理はないぜ。

だが筋トレの神様だけは、いつも君を見ている。
君が己の限界にチャレンジする限り、そして、君が絶えずチャレンジし続けた分だけ、
必ず、そう、必ず君の肉体は成功を掴んでくれるのさ。


おっと、

もちろん、正しいフォームで行わなくちゃいけないぜ。


といった次第でありますので、みなさんひとつよろしくお願いしますね。





我々モケーレムベンベ、

10月12日日曜、ミナミホイール2日目の昼に、
それでも尚、未来に媚びると一緒に、
アメ村新神楽にて「にんげんっていいなvol.3」のプレイベントとなるフリーライブを行いますので、そちらもひとつよろしく。