LONE
2013年08月に長らく待ち望まれていた待望の新音源である3rd single「視殺された憧憬 / 幸福の奴隷」をリリースしたLONE。現在はそのリリースツアー前半戦の真っ最中の多忙な中、メンバー4人を直撃。今まで語られなかった意外な一面がいくつも見られるインタビューとなった。




LONEって何年目ですか?って質問に答えたら、だいたい「えー!?」って言われますね

野津:よろしくお願いします。まず、LONEの結成はいつですか?

熊田哲也(以下:熊田):2005年の夏、8年前ですね。

毛利翔太郎(以下:毛利):まるまる8年経ちましたね。

野津:で、今のドラム(山本浩之 / ex.UNDER NINE)が4代目ですね。諸事情でまだ来てませんが(笑)。

毛利:そうですね(笑)。4代目でもあり、1代目でもあるんですが。

タケヤ:え?5代目ちゃう?

毛利:あ、そうやわ。

野津:うわ、それは初耳!

毛利:え、マジすか!?中3に組んだ時に軽いノリで誘ったのが浩之ですね。その編成では学校の文化祭的なものに2・回出て。その後オリジナルをやろうってタイミングで、浩之のタイプもあって、一度退いてもらって、2代目の新井を無理やり入れてって感じです。

野津:その次の年にFireloopに来てくれたんですよね?16歳の時。

毛利:そうですね。高1の夏ですね。初ライブハウスでした。当時オカジさん(The Minx and Misanthrope)がFireloopで働いていて、仲良くなったりで。

野津:で、今年23歳なのにFireloop歴すでに7年という(笑)。

タケヤ:ヘッキシュヌ!!

毛利:(笑)。

野津:23歳でLONEっていうバンドが8年目っていうのも凄いですよね。

毛利:LONEって何年目ですか?って質問に答えたら、だいたい「えー!?」って言われますね。無駄に長いんで僕ら、みたいな(笑)。10代だった頃は若いのに頑張ってるなー!って感じだったのが、最近は僕らが老けすぎて「そんな若かったん!?」って言われることもあります。ちょっと反応が変わりましたね。

野津:へー!その感覚、僕はもう長いこと見過ぎてて分からないですね。やっぱり「もう23歳なん?」って思いますしね。

毛利:野津さんとかFireloopの人はそうでしょうねー(笑)。




毛利が歌うとか想像せずに書いたらどうなるんやろうって

野津:で、これはちょいちょい聞かれてると思いますが、LONEって歌詞は熊田くんが書いて、曲はバンドで?

熊田:曲は毛利ですね。

毛利:ですね。昔からあまり変わらず、僕がほぼ作ってきてっていうのが9割、残り1割は一部分からみんなで膨らませます。基本は僕がまるごと作ってきて、哲也がだっさいアレンジをボンボン連発して10個に1個ぐらいが拾われます。

野津:よくある分業制だとボーカルが作詞、別のメンバーが作曲ですが、その逆っていうLONEのパターンってあまりいませんよね。

毛利:そのパターンなのはチャットモンチーぐらいですね、知ってる限り。全部じゃなかったと思いますけど。ただ、チャットモンチーは歌詞が先らしくて、メロディアスな曲が多いのに歌詞が先っていうのは凄いなあと思います。僕が全部歌詞を書いたのは弾き語りでやった1曲ぐらいですね。一回全部自分で書いてみようと思って、書いたはいいんですが、やってみるとやっぱり自分には合ってないなあと思ってやめました。自分の性格に合ってないなというか。普段から自分が言いたいことを言うのが苦手なんです。思ってることを言うのが苦手ってことではなくて、自分が言いたいことを自分であんまり理解できてなくて。よくわかんないですけど。言いたいと思ったことを歌詞で書いてても、本当に言いたいことかなって思い始めちゃって。なんか違うなって。それやったら哲也が書いた歌詞を歌おうと。自分が書いた歌詞は頭を使いながら歌わなきゃダメで、哲也が書いた歌詞だと無心で歌えるんで、ハッキリ言うと楽なんですねライブ中も。僕は哲也が書いた歌詞を歌っている人形みたいなもので。哲也は逆に自分の言いたいことは書けるけど、それ以上アウトプットするのが苦手な人間なんで、それが僕を通すことによって哲也も楽になって。ただ、哲也が悩んでいたのは、僕が歌うことによって歌詞の意味合いが変わったりとか。歌い方が想定と違ったり。

熊田:僕の思うまんまで表現できないという葛藤もありました。でも今は全く無くて、結局僕から毛利の手に渡ることで、それは僕のものではないという。あとは毛利が全く別のものとして表現してくれると。昔は毛利が歌うことを前提に歌詞を書いてることが多かったですが、逆に今回のシングルの2曲は全くそれを考えないという挑戦でしたね。「幸福の奴隷」という曲は割と今までなかった感じの曲で、これまでは毛利がこんな風に叫ぶとか、ここで感情的になるからとかを念頭に書いてたんです。今回はなにか新しいことがしてみたいなと思って、ただ僕が書きたいように、あんまり毛利が歌うとか想像せずに書いたらどうなるんやろうって書いたら、すごく良い感じになって。

野津:「幸福の奴隷」は一時期のLONEぽくはないですよね。

毛利:曲自体の雰囲気がまあ、そうですね。

野津:多幸感があるというか。

毛利:僕らのああいったバラードっぽいのは暗いのが多いですしね。悲しい曲。

熊田:内に内にの内省的な曲が多かったですね。

野津:曲も歌詞も初めて聴いた時は「あれ?LONE?」みたいな印象でした。けど、違和感ではなくLONEが凄く前に進んだ感じを受けました。

毛利:作った僕からすると、自分的にはあまりそういう印象はなくて、ただ歌詞がついてバンドでやり始めたら「ん、ちょっと今までと違うなー」って。やっぱり歌詞がついた時にメンバーみんな思いました。前に出したアルバム「感情群体」に入っている「テロルチョコ」っていう曲が出来た時の方がそういう印象がありました。哲也にまず聞かせたんです。「LONEでやって大丈夫かなあって曲ができたんやけど」って。そしたら、哲也が好きなタイプの曲でもあったんですが、「全然大丈夫やん」って。その頃は暗くて重くて鋭くてっていう曲がLONEぽいて言われていて、僕がそれに寄せて作曲していた時期でもあって、だから曲もあんまり出来てなかったんですが、そのことがあってから凄く気が楽になりました。コレがあかんとかアレがあかんとか全く考えないようになりました。その延長もあって、「幸福の奴隷」が出来た時もあまり何も思わなくて。

野津:タケヤくんはそういう曲が出来る過程とかってどう見てるんですか?

タケヤ:僕は特に何も考えてないですね(笑)。また毛利が曲書いてきたー、哲也が変な歌詞書いてきたーって感じですね。

毛利:まあ、こいつに聞いたのが間違でしたね(笑)。こういう感じなんです、タケヤは。

タケヤ:僕は曲の良し悪ししか考えてなくて。LONEに限らず音楽の中で、歌詞はどうでもいい人なんです。メロディだけなんです、判断基準が。

(ここで山本浩之到着。)

毛利:だからタケヤはアニソンも打ち込みとかダンスミュージックも好きだっていう、LONEには珍しいタイプなんです。ただ、僕が作った曲に良いとか悪いとか言うのはタケヤだけですね。タケヤはもともとあんまり音楽を聞かないんです。僕らはライブハウスに行ったりとかで聞く音楽も繋がりのあるバンドの事も多いんですが、タケヤはそれがなくて真っさらに近いんで、世間一般に近い耳を持っていると思って意見は参考にしてます。哲也は僕の曲に「あかん」って言ったことないんで(笑)。まあ僕も哲也の歌詞に「あかん」って言ったのは一回ぐらいですし。タケヤはそこもツッコんできたりします。卑猥な単語があったりした時は「それ大丈夫か?これ電波的に大丈夫か?」みたいな。

野津:へえー。1番そういう部分どうでもよさそうなイメージなのに。

タケヤ:僕お金も欲しいんで(笑)。

毛利:これ載せていいの(笑)?

タケヤ:哲也は(表現的に)オナニー主義者なので。あんまりそこがキツくなり過ぎると受け付けられなくなるんです。そこですね。

毛利:とか言いながら1番受け付けられなさそうなことしてますけどね(笑)。

野津:「視殺された憧憬」はLONEっぽさと「おお?」って思う部分がありましたね。こんな歌い方してた曲あったっけ?みたいな。AメロBメロとサビのダイナミクスが凄くあって。

毛利:ちょうどそれ、Brian the Sunの良ちゃん(森良太、Vo/Gt)からも言われましたね。今回の2曲は両極端、かつ最後のサビで一旦落とすっていう曲の進行が全部一緒ってわけではないですけど、同じポイントがあるのに聞こえ方が違うっていうのが面白い組み合わせになったと思います。

野津:このシングルを聞いて思ったのはこれまでのLONEとは少し違う面も出しつつ、カッコいい曲がちゃんと収録されている。だからこそ、足りないっていう。まだまだもっとたくさんLONEの新しい曲が聞きたいと、2曲がカッコ良かったからこそ素直に思いました。

毛利:それは嬉しいですね。良かったなーていうのもアレですけど、安心できますね。前のアルバムの「感情群体」が自分たちとしても大きすぎて、あれを超えられるのかっていうのはありましたから。ただ、今ガツガツ新しい曲を作っている中で「これはいけるな!」って自分たちがなってきているところに客観的に言ってもらえると嬉しいです。




毎回自分らはどんなライブが出来るのかっていう

野津:山本くんが来て、メンバー4人揃いましたね。

毛利:そうですね。3代目4代目と来て5代目のドラマーです。

野津:LONEを長いこと見てきてますが、面白い、興味深いバンド人生を送ってるなって思いますね。

毛利:それは自分たちでも思います。波瀾万丈です。

タケヤ:なかなかおらんやろって思いますね。

野津:閃光ライオットの決勝にも行きましたよね?

毛利:UNDER NINEと一緒の年でしたね。そろって何ももらえず帰ってきました(笑)。

野津:同い年のBrian the Sunは準グランプリをとってましたよね。

毛利:Brian the Sunは閃光ライオット1年目で、僕らは2年目なんですよ。Brian the Sunの治輝(白山治輝、Ba)から閃光ライオットの話を聞いて、「え?お前らで行けるんやったら俺らも絶対行けるやん!」って感じで(笑)。

タケヤ:完全にそれです(笑)。

熊田:で、実際ファイナルには行けたんですが、まあ騒ぐだけ騒いで帰ってきただけっていう(笑)。

野津:こないだ毛利くんと普通に話してた時に、「LONEが島根でも凄い受け入れてもらえるようになって」って話してて、でもそれってコツコツと5年かかったわけですよね。一般的に大阪のバンドも、もっと頻繁に東京に行ったほうが良いよってなることも多いですが、それとは違って、今のLONEのやり方がLONEに一番あった、ストレスを感じない活動の仕方なのかなあって思いました。

毛利:あー、なるほど。例えば悪い言い方ですけど、「こういう曲を書け」「こういうふうに活動しろ」とかみたいな上から言われないほうがってことですね。まあ、僕らそれを言われてもそんな器用なこと出来ないだけなんですけどね。

野津:例えばレーベル、マネージメントから意見なり指示みたいなものが嫌いなわけではなく、それとはまた別にそういう世界とは無縁の活動をしていると(笑)。

毛利:そうなってみないとわかりませんけど、何かを提示されても器用に対応できないだけですね。押さえつけられるとダメっていうか、メンバーみんな自由なんで。以前すこしそういう世界を垣間見て、俺ら無理やなって感じたりもありますけど。そういう風に器用にできないんで、自分らでCD出してたくさんツアー回って。

野津:確かに最近は楽曲のリリース形態も様々で、CDが無くなるとか言われたり、セールスが伸びないとか言われてて、今後どういうやり方がベストなのかっていうのは分からない時代だなって思うと、自分たち自身だけでバンドを動かしていくっていうシンプルで愚直なスタイルのLONEというバンドの未来に、無責任な発言かもしれませんが、期待してますし、興味があります。そして頑張ってほしいなと思ってます。

毛利:まあ、島根とか山口とか僕らが重点的に行くところって、いわゆる有名な人は避けがちな地域かなとは思います。ただ、僕はその地域で結果が出てきていて嬉しいなと思ってます。失礼な言い方かもしれませんが、別に僕らはそこで人気になりたいから、頑張りたいから行ってる訳ではなくて。結局自分らがライブをしたくて、自分らのライブ力というか、ライブをしないと上がっていかないもののためにやってるというか。リリースツアーもそうですけど、CDを売りたいっていう気持ちより、自分らがその土地でどんなライブが出来るんやろうっていう方が楽しみで行っていた結果、そういう形に結びついた感じです。一回一回いつも場所から何から状況は違うわけで、毎回自分らはどんなライブが出来るのかっていう。今度北海道に初めて行くんですけど、やっぱり僕らが北海道でどんなライブが出来るかっていうのが楽しみで、その結果CDが売れたり、また来てくださいって言ってもらえればなんぼでも行きますし。それは良いライブが出来てて、自分らでも納得できたからこそ次に繋がってて。まさしく売れない考え方もしれませんけど(笑)。

野津:自分の可能性に常に期待しているということですね。

毛利:そうですね。自分へのプレッシャーでもあります、常に。

山本浩之(以下:ヤマモト):表現者なんですよね、特に毛利は。決まりきったライブは全然出来ないし。商業的でないというか…。

野津:いや、LONEは全員そうだと思いますよ(笑)。





それが結果として出せるっていう自信があるから、今回もやっています

野津:今はリリースツアー真っ最中ですね。広島の次の日に東京とか、無茶なスケジュールもあったような気がしますが(笑)。

毛利:あれは完全なミスで(笑)。

タケヤ:移動距離が終わってるでしょ(笑)。

野津:大阪から九州の南の方、宮崎とかまで行くぐらいの距離じゃないですか(笑)?

毛利:宮崎のライブハウスの人に「宮崎から東京まで1500キロある」って言われて「はあ?なにそれ?笑」ってなったんですが、宮崎のバンドでそれを頻繁にやってるような人たちもいるんで。まあミスっていうか、9月2日の東京も、本当はそのあとに何日か続けてツアーを組みたかったんですが、うまく組めなくてという意味でのミスですね。

熊田:前の「ナラカ」っていうシングルのリリース時が初めてのツアーだったんですけど、それも意味不明なツアースケジュールだったんで(笑)。

毛利:そのツアーは僕には凄くプラスになって。ちょうど僕が喉を潰した一年後ぐらいで、メンバーにも言ってなかったんですが、自分への試練でもあったんです。ライブ6連続があって1周間オフがあって8連続、3日オフがあってツアーファイナルっていうスケジュールを、自分への試練として組んだんですけど、自分も歌い切れたし、バンド自体の自信になって成長した感じがありました。初めての土地で、このキツいスケジュールで、俺達ここまでできるんや、そうなると地元の大阪ぐらい毎回全力を出せんとっていう。それが3年前で、今はドラマーも変わったので、その体験をまたこのメンバーでやりたいと思って。ライブとツアーが好きなだけみたいになってる気もしますけど(笑)、それが結果として出せるっていう自信があるから、今回もやっています。浩之がこないだ「例年比の5倍で夏が進んでいく」ってツイートしてて、まさにその通りやと思うんです。もう8月終わりなん?みたいな。

野津:UNDER NINEの時もこういうキツいスケジュールのツアーはあったんですか?

山本:ちょいちょいありましたね。8連続とか(笑)。ただLONEはツアー中のストイックさ、サバイバルさがヤバくて。米も炊いたり、川の水を汲んでパスタ茹でたり(笑)。

毛利:あれは川の水が綺麗やったからな。

山本:それは岡山の湯原温泉あたりですね。でっかい川があって。

毛利:ストイックていうか、金がないってだけなのと、それを面白いって思えるメンバーばっかりだったって事ですね。

タケヤ:哲也は微妙やろ(笑)。「ナラカ」ツアーの時は家に帰りたいって言いまくってたやん(笑)。寝て起きて「疲れた」って言いますからねこいつ。こっちは運転し終わって、さあ寝るかってタイミングで言うんで、シバいたろかって思いますよ(笑)。

野津:(笑)。このツアーはいつまで続くんですか?

毛利:11月ですね。9月8日のFireloopで発表しようかと思ってたんですが、11月6日に心斎橋PangeaでBlue Orbと共同ツアーファイナルをやります。




そのステージに立ってそれだけの事を僕らがやる

野津:まだしばらく続きますね。ちなみに、バンドの根幹的な質問かと思いますが、LONEとして「ここに行きたいんだ」っていう具体的な野望というと、なんですか?

タケヤ:億万長者ですね!(笑)

野津:俗物やん(笑)!

毛利:言い続けてるもんな(笑)。ビル・ゲイツぐらい稼ぎたいとか、自分のシグネチャーモデルがアホみたいに売れて欲しいって言ってますから。それはみんなそうですけど(笑)。

野津:確かにそれはそうですよね。

毛利:野望というか目標というか、僕が音楽をやり始めたきっかけがあって。包み隠さずに言うと、僕がなんせ引きこもりやったんですね。中1の終わりから中3の始めまで学校に行ってなくて。家庭的な事情もあって家から出たくなくて。だからその当時はメンバーみんな僕のことをほとんど知らなかったんですよ。僕以外のメンバーは小学校から一緒なんですけど。毛利?おったなあ、ぐらいだったはずで。で、引きこもってる時期に母ともめたりもして、「それなら一回やりたいことやりなさい」みたいに言われて、その時たまたまギターがやりたくなって始めてみたら、無駄に自分に自信が出てきて。みんなが出来ないことが出来てるっていう。まだ学校には行ってなかったんですけど、近所の公園でイキって弾き語りをしてたんです。AメロとBメロを、アンプにも繋いでないエレキギターで一生やってるっていう(笑)。それをたまたま見たタケヤが「こいつヤベえ」ってなったらしくて(笑)。それを見たのが浩之だったら「こいつ頭おかしい」で終わったと思うんですけど。

野津:見に来たタケヤくんの方がもっと頭おかしかったっていう(笑)。

毛利:そう(笑)。で、タケヤもギターをやりたいってなって、もう一人ギターを弾いている友達がいるって紹介されたのが哲也で。僕とタケヤがエレキ、哲也がアコギっていう感じで3人で弾いてたら、「こいつ(哲也)ヤバイぐらいギター下手やん」ってなって。バンドやりたいなってタケヤと話してたんですけど、当時の僕らはRadioheadみたいなギター3本のバンドなんて全く知らなかったんです。で、音楽始めたての僕らはCDのベースの音もわかってないのに、ギターがヤバイぐらい下手だった哲也をベースに無理やり転向させて(笑)、中学の同級生でもゲーセンのドラムマニアがめちゃくちゃ上手かった浩之に「ドラムやってや」って聞いたら「ええで」って。

山本:コンビニ行こや!ええで!のノリですね(笑)。

毛利:ギターを弾くようになるまで、僕は洋楽しか聴いたことなかったんです。邦楽をどうしても受け付けなくて。歌詞がダメで。ただ、引きこもってパソコンでハンゲームしかやってなかった時に、たまたまBUMP OF CHICKENを聞いて「なんやこれは!!」ってなって、自分に革命がおきて凄い力をもらったんです。

野津:BUMP OF CHICKENとは意外ですね!

毛利:で、今も当時の僕みたいに引きこもったり自信が持てない人がいっぱいいると思うんです。でも、僕は学校にも行けるようになって、こうやって自分は今バンドを続けられていて、それは凄いことだと思ってるので、そういうのを自分たちでも出来ればと。ていうか、出来ると信じてバンドをやってるんですが。目標としては、そのBUMP OF CHICKENのライブを初めて見て、ああなりたい、ていうか超えなアカンやろ!ってなったのが大阪城ホールだったんで、そのステージに立ってそれだけの事を僕らがやることですね。それで初めてバンドが出来てるって思えるかなと。それは目標でもあり、通過点だと思います。その時に「これを超えなあかん」って思えたのが、今でもバンドをやれてる理由だと思いますし、その時一緒に体験できた哲也との絆の深さでもあって、歌詞とメロディを別々で書けてることにも繋がるかなと思います。

野津:うわあ、その絆は深いですね。そして、憧れと「憧れたものを超えていかなきゃ」っていうのは素晴らしいと思います。この話の流れでその絆の話は素敵だなあ!今日は今まで知らなかったLONEの事もたくさん知れて本当に良かったです。ちなみにタケヤくんの目標は…

タケヤ億万長者ですね!(笑)

一同:笑

LONE (左から)

タケヤ(Gt)
熊田哲也(Ba)
山本浩之(Dr)
毛利翔太郎(Gt.Vo)

奇しくも5代目ドラマーに初代ドラマーである山本浩之が復帰し、文字通り中学校からの同級生での編成となった4人組ロックバンド。現実と虚構を行き来するかのような歌詞とヘヴィで尖ったサウンドは、圧倒的にエモーショナルなライブパフォーマンスと相まって、各地で非常に高い評価を得ているが、メンバー全員が人間的には大変不器用である。


インタビュアー:野津(Fireloop / ASR RECORDS)


09/08
SUN@Fireloop

LONE presents
唯鳴音

LONE
GRIKO
パンパンの塔(東京)
BURNOUT SYNDROMES

[FOOD]てらや / 肉のよしかわ

open 18:00 / start 19:00
前売2,000円 / 当日2,500円