始まりがすごく低いところから始まってるから、私達。ほら地獄じゃない?
ホシヲ:祝!大阪初企画開催記念インタビューということで、あまり知られていないスキッツォイドマンのいろんな事を聞かせてもらえたらなって思います。よろしくお願いします。
キャプテンKT(以下、KT):よろしく!なんでも聞いてちょうだい!
ホシヲ:結成してどのくらいなんだろう?
KT:5年くらいかしらね。5年でカウントしてちょうだい!いいじゃない。大切なのは今なのよ。
ホシヲ:分かりました(笑)どういう経緯で結成したんですか?
ワンダー久道(以下、ワンダー):地上で人間だったころにキャプテンKTと知り合いまして、やりましょうと。
KT:そして死んだの。突然。ふたりとも。
ホシヲ:そして地獄へと。
KT:そう、いつ死ぬのかなんてわからないものよ。明日が来るなんて限らないのよ。そういうものなのよ。
ワンダー:地獄で虐殺丸に出会って。
KT:スカウトしたの。地獄から頑張りましょうって。
鬼ヶ島虐殺丸(以下、鬼ヶ島):そして、地上でやるようになりましたね。
ホシヲ:地上では、京都を拠点に活動してましたよね。
KT:そうなの。FireloopとAfter Beatの交換イベントで、初めてFireloopで演らせてもらって。
ワンダー:バシッとはまったんですよね。
KT:そのころなんとなく京都で伸び悩んでた節があってこれからどうやって活動して行けばいいのかって考えてたころだったの。誤解を恐れずに言うと、京都って独特のぬるさというかゆるさがあって、それに合わせていくのに少し疲れちゃってたのよね。本当にいいきっかけだったわ。それから大阪でガンガンやっていこうって思ったのよね。今では東京とかでもやらせてもらえてる。何が起こるかわからないものよね。
ホシヲ:一歩一歩上がっていってる感じがするよね。しっかりファンがついてるし、増えていってる。
KT:そうかしらね。そうだったらいいのにね。地上は優しい人が多いからね。始まりがすごく低いところから始まってるから、私達。ほら地獄じゃない?
ワンダー:実感はないですしまだまだですけどね。いつも応援してくれている皆さんには感謝してます。ありがとうございます。
ホシヲ:ファンの人の熱がすごくあるって思うんだよね。小さなことかもしれないけど、毎回バンドのTシャツ着てライブに来てたりとか。純粋にバンドのファンっていう人が多いように思うよ。
KT:ありがたいわよね。自分達が生み出したものを愛してもらえてるのは本当に嬉しいことよね。それを感じれなくなったら終わりよね。もっとたくさんの人とそれを共有していきたいわよね。まだまだこんなもんじゃないんだから!始まったばっかりよ!
ホシヲ:(笑)バンドが目指しているところというか目標地点っていうのは何かあったりするんだろうか?
KT:武道館ね!ほら地上を制覇した感じがするじゃない?地上の一つのモニュメントじゃない?そこに地獄の連中がいくってのはいいじゃない。武道館のステージで血がオーケーか許可を取りたいじゃない。おそらく地獄史上でも類を見ないことだと思うし。
ホシヲ:最近のバンドでも、「武道館!」って第一声で言えるのって減ってる気がするんだよね。バンド始めたときってそんなことみんな言ってたと思うんだけどね。
KT:そうよね!初心忘るるベからずっていうのと同時に、貪欲にいきたいのよ!気持ちよく生きたいじゃないやっぱり。あたしは死んでるけどさ。生きてるんだったら余計に気持ちよくなくちゃね。夢はでっかく!ロマンよ、ロマン。
ホシヲ:ロマン。いいですね!
KT:スキッツォイドマンのライブがあるから、また頑張れるっていうバンドでありたいわね。
大きなことをいう人は好き。憧れるところがあるわよね。
ホシヲ:3人の音楽的なルーツについて聞かせてください。ここはきっと読者のみなさんも聞きたいところだと思うんですよね。
KT:私はもっぱらパンクロックだったわ!今でももちろんだけど!一番好きなのはRAMONES!!生きてた時も死んでる時もね!
ホシヲ:たまにやってたもんね。
KT:もうやらないけどね!
ワンダー:僕はスラッシュメタルが好きでしたね。MEGADETHばかりを聴いてました。あんまりバンドには反映されてないかもしれないですけど。あとはジャパニーズ・ヒップホップですかね。ブッダブランドとか、YOU THE ROCKとかあのへんを嗜んでましたね。
鬼ヶ島:俺はどれがルーツっていうと難しいですけど、ジャンル分けが難しい音楽が好きですね。コンテンポラリー・ジャズとか、プログレとかNEW YORK系の前衛的なパンクバンドとか。あとキング・クリムゾンが好きですね。
ワンダー:それは、3人が共通して好きなものですね。あと、ピンク・フロイド。
KT:バンド名もキング・クリムゾンから拝借してますからね。
ホシヲ:3人の異なったルーツが変幻自在な楽曲を生み出しているわけですね。
KT:単純に音楽が好きなのよね。好奇心旺盛だし。カッコイイものって見つけると嬉しいじゃない?
ホシヲ:レコードは作らないんですか?
KT:これから作る予定。ちゃんと業者に出すようなやつをね。
ワンダー:今まさに作ってます。というかこれから着手する予定ですよ。楽しみですね。
ホシヲ:流通とかはかけないの?
KT:うん、かけない。かけてもしょうがないと思うから。手で直接売るわ。
ワンダー:やっぱりまず現場で知ってもらわないことにはね。僕らの場合ライブを見てもらわないことにはCDだけでは手にとってもらい辛いと思うんで。ライブハウスに遊びに来ている人だけを考えても僕らを知らない人の方が多いですしね。
KT:だからね、来年くらいにはそうね、日本を2周したい。多分しないけど。
ワンダー:いやいや、そこはしましょうよ!
KT:1周はみんなするじゃない?だから2周。なかなかいないでしょ?
ホシヲ:単純に計算しても94本だからね。
KT:数だけ考えると、いけそうな気がしますけどね。でも、結構ギリなんでしょうね。やせるんでしょうね。
ワンダー:車内がみんな無言でね。
鬼ヶ島:細かいことでイライラしたりしそうですね。
ワンダー:小さい癖が気になっちゃったりしてね。
KT:でも、やってみたいわね。2周。
ホシヲ:そんな中で行ったのことのない所で行きたい場所ってある?
KT:そうね、恐山があるのってどこだっけ?青森!そう、青森に行きたいわね!やっぱりパワースポットだからね。
ワンダー:仙台も熱いっていいますよね。LIE-DOWNとかによく聞くんで。いってみたいですね。
鬼ヶ島:沖縄に行ってみたいですね。なんとなく。
ホシヲ:米兵さんとかがお客さんでいるらしいよ。
KT:でも、押尾学も米軍キャンプでハードコアパンクやってたらしいわよ!いつも喧嘩沙汰だったらしいの!
ホシヲ:押尾学!
ワンダー:KTは押尾学フリークですから。
KT:そうなの。私好き。すごいのよ彼は、ブラジルでサッカー留学しながら地元で暴走族のヘッドだったりしたらしいのよ!タモさんもタジタジ。ああいう大きなことをいう人は好き。憧れるところがあるわよね。
なんかわかんないけど楽しいって一番いいことだと思うのよね。
ホシヲ:今回の企画のことについて聞かせて下さい。大阪での初企画ということですが、いきなりツーマンとは思い切ったよね。
KT:この2バンドが出ればあとは必要ないって思ったのよね。焦点を絞りたかったの。もう余計なもの一切なしで。イベントの意図がすごくシンプルでわかりやすいじゃない。東京からチャンバーズってバンドが来るし、地獄の私達が出る!スカッとしてていいでしょ?見てる方も気持ちがいいと思うのよね。バンドの数がたくさん出てよく分からない会になるよりも。たくさん入れてもしょうがない!みんな覚えて帰れない!いきなり私達からでる。
ホシヲ:裏がサマーソニックですけれども。
KT:ラインナップ見たけれどね、関係ないわ!ミスチルよりMUSEより楽しいわよ!地上で一番熱い夏よ!負けない!
ホシヲ:およそ一時間のロングステージも初めてとのことですが。
KT:そうね!初めて。体力の向こう側よね。死んでるけど。
ワンダー:単純に普段あまり出来ない曲をやれるっていうのも楽しみですね。
鬼ヶ島:自分達がどこまでやれるかっていうのも楽しみです。
ホシヲ:今回ツーマンの相手として乗り込んで来るチャンバーズって、スキッツォイドマンにとってどんなバンドなんやろう?
KT:地上で一番怖いバンドよ。今地獄が最も恐れているバンドがチャンバーズよ。
ワンダー:僕達の間で、面白いと言われているバンドが束になっても恐らく敵わないと思いますよ。それくらいのインパクトと演奏力。ボーカルのララバイさんの圧倒的な存在感。
KT:ずっと怒ってるもの。すごく尊い方。
鬼ヶ島:2人がほとんど言ってくれたんですけど、一言でいうと脅威ですね。あんなバンドいないですよ。
ホシヲ:地獄を背負っているスキッツォイドマンにここまで言わすとは!
KT:勝てるかどうかわからない!勝てないかもしれないわ!それでもやるの!
ワンダー:東にはもっとすごいバンドがいるぞっていうのを感じていただきたいですね。
KT:天国 vs 地獄よ。見てもらえたらわかるわ。
ワンダー:チャンバーズを知らずにいるのは本当にもったいないと思いますよ。僕達自身が大ファンなんで、スキッツォイドマンをきっかけに知ってもらえたらすごくいい。
KT:起こることの全てが予想できないのよ。今まさに起こっていることを整理するだけで精一杯なの。だからその状況をただ笑うしかないのよ。でもねそれがいいんだと思うの。一番幸せなんだと思うの。なんかわかんないけど楽しいって一番いいことだと思うのよね。
ホシヲ:いったい何が起こるんだか文面じゃまったくわからないよね。まさに予測不能。
KT:わからないからこそ来て欲しいのよ。私達だって何を仕掛けてくるのかわからないんだから。ドキドキして欲しいじゃない、みんなに。
ホシヲ:テンションの高さからもチャンバーズへの熱意と愛が伝わりますね。
KT:事件なの!これは!そうなの!私は結構熱いの。身体は冷たいけど。
ホシヲ:当日は絵描き光さんも参加されるんだよね。
KT:地上で最もクールな絵描きさん。新しいアー写も彼の作品よ。
ホシヲ:僕もかなりお世話になってます。
KT:彼のやってることってなかなか真似出来ないことじゃない?自分の腕で全国を飛び回って、絵を描いてる。
ホシヲ:しばらく会わなかったらすごい技増えてたりするよね。
KT:そうなのよ!熱っぽいわよね!常に向上心を忘れない姿勢。光さんがやっていることって、実際見ない事には分からないのよね。「衣類に絵を描いてます」って説明したらそれまでなんだけど、生で描いているところ見たときの驚きって凄いもの。下書きも無しに描いていっちゃう。まさにライブよね。
ワンダー:当日は何か衣類を持って遊びに来てください。きっと素晴らしい体験ができます。
散髪屋さんに行って、KT刈りにしてくださいで通じる時代にしたいわね。
ホシヲ:目前にツーマンがあるから考えるの難しいかもしれないけど、これからの展望を教えてください。
KT:そうね、ツーマンとかスリーマンとかでイベントは、やっていきたいわね。ガツンとしたやつ。ワンマンとかもやりたいわね。
ホシヲ:いいねえ。内装とかにもこだわったりして欲しい。
KT:ああ、いいわね。まるごと私達を魅せつけるっていうのはやりたいわね。
ホシヲ:ワンマンとかやったら、コスプレしてくる子とか出てくるんじゃない?死んでるやつとか、サングラスズレてる奴とか、タキシード着てるやつとか。
KT:そこまでいったらなんか実感が湧くと思うわ。でも、私が働いてる側の人間だったらそんなやつは入れないわよ。
ホシヲ:(笑)入れないんだ!
KT:あ、あとあれ、散髪屋さんに行って、KT刈りにしてくださいで通じる時代にしたいわね。
ワンダー:本人は今、自分でやってるんですけどね。
ホシヲ:うまいことやるよねえ。
KT:少しずつ左右がずれてきて小さくなってきてるのを後ろの長さでバランス取ってますよね。
ホシヲ:KT刈りがフロアに溢れたら面白いなあ。
KT:全員の特徴を少しずつ真似してる子とかね。KT刈りで、タキシードで、サングラスズレてる。
ワンダー:なんて声をかけていいかわからないですね。
KT:キャプテンワンダー丸ね!
ホシヲ:ここ太字ですね。いいですねえロマンがありますねえ。
KT:いつか会えるのを楽しみにしてるわ!
ホシヲ:キャプテンワンダー丸の話は置いといて、ツーマンやスリーマンの話に戻しますね。これからそういったイベントを打っていくに当たって一緒にやってみたいバンドとかっている?
KT:実は9月にも一緒にやるんだけど、LIE-DOWNは意識してるわよね。あと、八十八ヶ所巡礼よね。
ホシヲ:KTは昔から言ってるよね。
ワンダー:八十八ヶ所巡礼は極楽浄土を歌ってるんですよね。その点でも面白いんじゃないかなと思いますね。極楽対地獄。
KT:憧れの部分もあるんだけど、誰が見てるかわからないじゃない?言ったもん勝ちでしょ!極楽対地獄もいつかやりたいわね。
名前だけは知ってるっていうのは、何も知らないのと同じよ!地上にいる間に体験しなさい!
ホシヲ:最後に、各々にとってのスキッツォイドマンっていうのはどんなバンドですか?自由に答えてくれたら嬉しいです。
KT:そうね。難しい質問だけど、楽しいのは生きているうちだけよ!死んでしまったら辛いだけだから。楽しいのは地上だけ。せっかく地上にいるんだから精一杯楽しんで欲しいって思うのよね。そういうことをちょっと暗めの曲を通してお伝えしたいの。暗かったり辛かったりすることは私達に任してもらって、あんたたちは楽しみなさいよっていうものかしらね。なんかひとつ殻を破りたいなって考えてるならライブにいらっしゃい。派手に破ってあげるから。
ホシヲ:まだ体験していない人からするとアー写からだけじゃ全くどんなバンドか読み取れないだろうけど、楽しいのは確かだよね。
ワンダー:人の予想を裏切るのが好きで、想像もつかないようなことをやってしまうのが好きなんですよね。僕らがヘビーメタルでKISSみたいなことをしても、そのまんまになっちゃうと思うんですよね。それを敢えてやらないっていうのが我々のスタンスでもあるし、そういうバンドだと思ってます。
鬼ヶ島:二人が言ってしまって、何にも言うことがなくなってしまった。とにかく一度ライブに来てもらえればってことですね。
KT:その場に行って体験するっていうのはすごく大切なことだと思うから。情報じゃなくてね。今の時代すぐ情報って手に入ってしまうでしょ。何かわからないけど一歩を踏み出すってワクワクするじゃない?新しいことを始めるのよ。そう、新しいのがいいのよ。名前だけは知ってるっていうのは、何も知らないのと同じよ!地上にいる間に体験しなさい!
ホシヲ:まさにLIVEということだよね。
KT:そう。私達は死んでるけど。
ホシヲ:変なオチがついたね。
KT:落語のようなオチよね。
ホシヲ:真夏の納涼イベントの一つとして大成功期待してます!
KT:ありがとう!以降の夏休みをつまらなくしてやるわよ!
ホシヲ:当日は僕もバーカウンターにいるんでオリジナルカクテルでも出そうかと思います!
KT:ああ、それいいわねえ。ロマンチックじゃないの。
ホシヲ:8月10日よろしくお願いします!今日はありがとう!
一同:よろしくお願いします!ありがとうございました!